60代の趣味ランキング|国の統計で見る、年を重ねて「増える趣味」「減る趣味」

60代の趣味ランキング 年を重ねて増える趣味・減る趣味

「定年後、何をして過ごそう」「60代から始める趣味は何がいいんだろう」。そう考えたときに、まず知りたいのは、同じ世代の人が実際に何をしているかではないでしょうか。

この記事では、国(総務省)が5年ごとに行っている「社会生活基本調査」の結果を、年代別・男女別に並べ直しました。ネットのおすすめ記事ではなく、全国の約9万1千世帯・10歳以上の約19万人を対象にした調査の数字から、60代の趣味の「いま」を見ていきます。

目次

この記事で分かる3つの発見

  1. 60代の8割半ばは、何かしらの趣味を楽しんでいる。逆に言えば、6〜7人に1人は「特になし」
  2. 年を重ねると「見る・聴く・遊ぶ」趣味は半分近くまで減り、「育てる・作る・習う」趣味は保たれるか、むしろ増える。いちばん増えるのは園芸
  3. 男性は日曜大工、女性は手芸・料理など、60代の趣味は男女で顔ぶれがはっきり違う

後半では、この数字を「自分の今の趣味は、増える側か減る側か」に当てはめて、趣味の選び方を考えます。

この記事の数字について

  • 出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」(調査日は2021年10月20日)。数字は「行動者率」で、過去1年間(2020年10月20日〜2021年10月19日)にその趣味を1回以上した人の割合です
  • 調査期間には新型コロナの緊急事態宣言の時期が含まれます。外出をともなう趣味は、ふだんの年より低めに出ている可能性があります
  • 「60代」の数字は、60〜64歳と65〜69歳の結果を、それぞれの推定人口で重みづけして編集部で計算しました

発見1:60代の8割半ばが、何かしらの趣味を楽しんでいる

この1年に何かしらの趣味・娯楽をした人の割合は、60〜64歳で85.7%、65〜69歳で83.0%(60代全体で84.3%)。50代前半(89.7%)から少しずつ下がりますが、70代前半でも78.9%と8割近くです。

裏を返すと、60代でも6〜7人に1人は「この1年、趣味と呼べることを特にしなかった」ことになります。趣味がないことは、決してめずらしくありません。

60代に多い趣味ランキング

60代(60〜69歳)で行動者率が高かった趣味を、上から並べました。

順位趣味60代60〜64歳65〜69歳
1映画鑑賞(映画館以外。テレビ・DVDなど)46.7%51.0%42.7%
2CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞40.5%46.5%34.9%
3園芸・庭いじり・ガーデニング39.7%37.9%41.3%
4趣味としての読書32.1%32.9%31.4%
5スマートフォン・家庭用ゲーム機などによるゲーム22.4%26.3%18.8%
6映画館での映画鑑賞18.4%21.5%15.5%
7写真の撮影・プリント18.2%19.8%16.6%
8日曜大工15.1%15.3%15.0%
9マンガを読む15.0%19.2%11.0%
10趣味としての料理・菓子作り14.7%15.3%14.2%

出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」第30-2表をもとに編集部で作成

上位は、家で映画を見る・音楽を聴く・本を読むといった、ひとりで気軽にできるものが並びます。その中で目を引くのが3位の園芸です。60代前半では3位ですが、60代後半になると映画鑑賞に次ぐ2位に上がります。

発見2:年を重ねるほど「減る趣味」と「増える趣味」がある

同じ調査を、50代後半・60代後半・70代前半の3つの年代で並べると、はっきりした違いが見えてきます。

趣味55〜59歳65〜69歳70〜74歳傾向
CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞56.2%34.9%24.3%大きく減る
ゲーム36.6%18.8%12.5%大きく減る
マンガを読む27.9%11.0%6.1%大きく減る
映画館での映画鑑賞24.5%15.5%10.6%減る
園芸・庭いじり・ガーデニング32.3%41.3%43.1%増える
編み物・手芸9.8%11.0%10.9%保たれる
書道1.9%2.4%2.6%少し増える
詩・和歌・俳句・小説などの創作1.2%1.7%2.5%少し増える

出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」第30-2表をもとに編集部で作成

55〜59歳と70〜74歳の趣味の行動者率の比較。音楽鑑賞56.2%→24.3%、ゲーム36.6%→12.5%、マンガ27.9%→6.1%、映画館での映画鑑賞24.5%→10.6%と減り、編み物・手芸9.8%→10.9%、園芸・ガーデニング32.3%→43.1%と保たれる・増える(総務省 令和3年社会生活基本調査)

音楽鑑賞やゲーム、マンガは、50代後半から60代後半の10年で、半分前後まで下がります。スマートフォンやゲーム機を使う趣味は、今の50代が年を重ねると、また違う数字になるかもしれません。

反対に、園芸は55〜59歳から70〜74歳にかけて10ポイント以上増えます。手芸・洋裁・書道・絵画・俳句・コーラス・社交ダンス・囲碁なども、数は小さいながら少しずつ増えています。

共通するのは、手や体を動かして何かを「育てる・作る・習う」趣味だということです。時間ができる60代以降に、教室やサークルで習い始める人が多いことがうかがえます。

発見3:60代の男女で、趣味はこれだけ違う

男女別に見ると、上位の顔ぶれも変わります。

順位60代男性割合60代女性割合
1映画鑑賞(映画館以外)48.5%園芸・ガーデニング48.5%
2音楽鑑賞(CD・スマホなど)42.2%映画鑑賞(映画館以外)45.1%
3園芸・ガーデニング30.3%音楽鑑賞(CD・スマホなど)38.9%
4読書29.4%読書34.6%
5日曜大工25.7%料理・菓子作り23.7%
6ゲーム21.4%ゲーム23.5%
7写真の撮影・プリント19.8%編み物・手芸20.4%
8映画館での映画鑑賞18.1%映画館での映画鑑賞18.7%

出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」第30-2表をもとに編集部で作成

男女の差がとくに大きかったのは、次の趣味です(60代、行動者率)。

  • 男性に多い:日曜大工(男性25.7%・女性5.1%)、パチンコ(11.0%・3.0%)、スポーツ観覧・観戦(14.4%・7.0%)、将棋(4.2%・0.5%)
  • 女性に多い:編み物・手芸(女性20.4%・男性0.4%)、料理・菓子作り(23.7%・5.3%)、園芸(48.5%・30.3%)、和裁・洋裁(12.8%・0.6%)
60代男性と女性の趣味の行動者率。日曜大工 男性25.7%・女性5.1%、スポーツ観覧14.4%・7.0%、パチンコ11.0%・3.0%、将棋4.2%・0.5%、園芸30.3%・48.5%、料理・菓子作り5.3%・23.7%、編み物・手芸0.4%・20.4%、和裁・洋裁0.6%・12.8%(総務省 令和3年社会生活基本調査)

60代男性では、日曜大工が4人に1人。65〜69歳の男性では26.3%と、55〜59歳(22.0%)より増えています。園芸も、男性では55〜59歳の24.0%から65〜69歳で32.6%と大きく増えます。

あわせて見る:体を動かす趣味と、学び直し

スポーツは「歩く」が2人に1人

この1年に何かしらのスポーツをした人は、60〜64歳で64.0%、65〜69歳で67.0%。50代後半(64.4%)より60代後半のほうが多く、時間ができてから体を動かし始める人が多いとみられます。

順位スポーツ60代60代男性60代女性
1ウォーキング・軽い体操50.6%47.4%53.7%
2器具を使ったトレーニング12.7%11.9%13.5%
3ゴルフ(練習場を含む)8.9%15.7%2.5%
4登山・ハイキング8.4%9.3%7.7%
5サイクリング5.8%8.2%3.6%
6つり5.7%10.1%1.4%

出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」第15-2表をもとに編集部で作成

ここでも、年を重ねて増えるものと減るものが分かれます。ウォーキングは55〜59歳の46.3%から70〜74歳の53.6%へ増え、グラウンドゴルフは0.7%から3.1%へと4倍以上に。ジョギングやヨガは減ります。走る・跳ぶスポーツは減り、歩く・打つなど、自分のペースでできるものが残っていく形です。

学び直しは、仕事のものから暮らしのものへ

何かを学んだり習ったりした人は、60〜64歳で36.7%、65〜69歳で35.3%。5年前の調査(35.1%・33.6%)より少し増えています。

学びの種類55〜59歳60代70〜74歳
パソコンなどの情報処理17.4%15.7%12.4%
家政・家事(料理・裁縫など)13.1%14.8%13.9%
芸術・文化11.5%12.6%11.8%
英語10.0%7.3%5.0%
商業実務・ビジネス関係10.6%6.3%3.0%

出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」第1-2表をもとに編集部で作成

仕事に関わる学び(ビジネス関係・英語)は年齢とともに減り、料理や裁縫などの家政・家事と、芸術・文化の学びは60代で増えて、70代前半まで大きくは落ちません。60代男性ではパソコンなどの情報処理(20.1%)、60代女性では家政・家事(19.6%)がいちばん多い学びでした。

自分に当てはめる:今の趣味は「増える側」か「減る側」か

ここまでの数字を、自分のことに置き換えてみます。

  • 今の趣味が、映画・音楽・ゲーム・マンガなど「見る・聴く・遊ぶ」側だけなら、年を重ねるほど自然に減っていく可能性があります。それ自体は悪いことではなく、今の楽しみはそのままで十分です。もし手を動かすもので気になるものがあれば、それは年を重ねても続けやすい楽しみになります
  • 園芸・手芸・日曜大工・書道など「育てる・作る・習う」側がひとつでもあれば、それは長く楽しめる趣味です
  • 体を動かすことは、「歩く」だけでも十分です。60代の2人に1人がしていて、道具もいりません

きっかけのヒント:数字から見えること

1. 「見る」趣味の延長に、手を動かすものがある

映画や音楽は、どの年代でも上位です。映画で見た料理を作ってみる、好きな曲を弾いてみる、旅番組で見た景色を撮りに行く。今ある「見る・聴く」楽しみの延長に、手を動かす楽しみが見つかることがあります。

2. 小さく試せるものから

60代でいちばん多い「手を動かす趣味」の園芸は、ベランダの鉢ひとつからでも始められます。日曜大工も、棚をひとつ作るところから。道具や費用を最初からそろえなくてよいものは、合わなかったときにやめやすく、始めるハードルも下がります。

3. 習う場があるものは、年を重ねても続けやすい

書道・絵画・俳句・コーラス・社交ダンス・囲碁などは、行動者率こそ数%ですが、70代前半まで増え続けます。教室やサークルなど、通う場があることが続けやすさにつながっているとみられます。自治体の公民館や生涯学習センターの講座は、費用をおさえて試すのに向いています。

調査について

  • 社会生活基本調査は、総務省統計局が5年ごとに行う調査で、国民の生活時間の配分や、1年間の余暇の過ごし方を調べています
  • この記事の数字は令和3年(2021年)調査のものです。次の令和8年(2026年)調査は2026年10月20日を調査日として行われ、結果は令和9年(2027年)9月から順に公表される予定です。公表されたら、この記事の数字も新しくします
  • 「行動者率」は、過去1年間に1回以上その趣味をした人の割合で、どのくらい熱心か(回数)は含みません

まとめ

  • 60代の8割半ばが、何かしらの趣味を楽しんでいる(60代全体で84.3%)
  • 60代に多い趣味は、映画鑑賞・音楽鑑賞・園芸・読書
  • 年を重ねると「見る・聴く・遊ぶ」趣味は大きく減り、「育てる・作る・習う」趣味は保たれるか増える。いちばん増えるのは園芸
  • 男性は日曜大工、女性は手芸や料理・菓子作りが多いなど、男女で顔ぶれが違う
  • スポーツはウォーキングが2人に1人。学びは、仕事のものが減り、料理・芸術・文化が増える

「何か趣味を」と考えたら、同じ世代の多くが楽しんでいるもの、年を重ねても続けている人が多いものから選ぶのも一つの方法です。気になるものがなければ、無理に探さなくても大丈夫です。

出典

60代の趣味ランキング 年を重ねて増える趣味・減る趣味

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