集中力がアップすれば、ミスは減りますし、無駄な時間が減って効率がアップします。結果、仕事のクオリティアップにも繋がるでしょう。しかし、そうと分かっていてもなかなか発揮できないのが集中力の難しいところです。
特に在宅ワークをしている人の中には、いろんなことが気になって、職場と比べると集中力が続きにくいという人もいるかもしれません。
そこで、この記事では、集中力がアップする方法をいろいろと試してみました。なかには集中力アップにつながってる?と思うようなものもありました。そういった感想も含めて紹介します。また、とくに集中力が続きにくい在宅ワークでの工夫もあわせて案内します。
自分に合った方法が分かれば、集中力はある程度コントロールできるようになります。その参考の1つになれば幸いです。
いろんな集中力アップ法をやってみた
「夢中だったから、気づいたらもう昼休憩の時間だった」なんてこともありますが、苦手なことやプレッシャーを感じたりする仕事だと、集中が途切れることもあります。そんな時に集中力を上げるにはどうすればいいのか?巷で言われている集中力アップ法をオフィスで試してみました。
ポモドーロテクニックをやってみる
集中力の話をするときに、必ずといっていいほど話題に上るのがポモドーロテクニックです。
- タイマーを25分にセット
- タイマーが鳴るまで業務
- タイマーが鳴ったら5分休憩
- 1~3を繰り返す
- 1~4を4回ほど繰り返したら、15分~30分の長めの休憩をとる
実際にやってみて感じたのは、人によって向き不向きがあるのではないか?ということ。私の場合、「25分まで、あと何分?」と気になってしまい、なかなか集中できませんでした。また、集中し始めたと思った時に中断させられることもありました。
集中力をアップするというより、「集中力を保つのが苦手」という人が集中するためのものなのでしょう。
集中できる音・音楽を流す
音楽や適度な雑音は、集中力アップに効果があると言われますが、実際はどうなのでしょうか?同僚のA氏にも協力してもらい、筆者と同じ音・音楽を聴いてもらいながら仕事をしてもらいました。(同僚に若干引かれつつも「分かりました」と言ってもらえる、うちの職場……)
ロックから演歌までさまざまな音楽と、カフェのざわつきから波音までさまざまな雑音を毎日聴くこと約3ヶ月、集中して働きやすかったものをランキング化すると、次のような結果が出ました。
筆者のランキング | 同僚A氏のランキング | |
---|---|---|
1位 | ハワイアンミュージック | シティポップ |
2位 | カントリー | ヒップホップ |
3位 | ケルト音楽 | ラジオ |
被験者2人という小さなサンプルですが、人によって集中して働きやすい音楽には差があるようです。集中力を維持しやすい音楽はあるのかもしれませんが、「この音楽をかけたから、全員の集中力が上がった」ということはないのかもしれません。
もし可能なら、自分が集中しやすい音楽を各々が見つけて、それを聴きながら仕事するのがいいでしょう。
集中するきっかけを作る
自分が集中しやすい音を探しているうちに、「音楽を聴くと集中する」という体内リズムが出来てきました。聞く音楽によって集中しやすさに違いがあるものの、集中するきっかけになっているようでした。
私の場合は「音楽を聴く」でしたが、「コーヒーを入れて飲む」「窓辺の席に座る」など、集中したい時のスイッチを作るのは効果的でしょう。集中のスイッチとして習慣化できれば、集中するタイミングをスケジューリングすることもできそうです。
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自分の体内時計に合わせる
朝に強い人と夜に強い人がいるように、人によって集中しやすい時間も違います。私は完全に夜型なので、夜から深夜にかけてが集中しやすい自覚があります。なので、無理を言って勤務時間を変えてもらい、夜~深夜に仕事をさせてもらいました。
普段は10時~19時で働いていますが、夜~深夜に働くと、思っていたよりも集中して進められました。ただ、勤務時間を自分で自由に設定できるような勤務体系の人であれば取り組みやすい方法ですが、そうでない人にはなかなか難しいかもしれません。
例えば、朝型の人は午前中に集中して取り組みたいことをやれるようにスケジューリングするというように、出来る範囲で活用するといいでしょう。自分の集中できる時間を、雑務やメールチェックで終わらせないようにしたいところです。
卓上の物を少なくする
机の上に物がたくさんあると、気が散りやすいと言われています。なるべく机の上は片づけるようにしていますが、メモ帳や筆記用具、水筒に参考資料に……といろんなものをつい置いたまま仕事をしています。
確かに一旦これらを片づければ、目に入るものが減って、集中しやすい環境になったと思います。ちょっと飲み物を飲みたくなったときには、水筒を取り出すためにカバンがあるところまで歩くので、強制的に軽いリフレッシュをする気分でした。
ただし、なにぶん面倒くさい。物を少ない状態で机を維持するのは、至難の業です。また、会社や仕事によっては、卓上の物を少なくすることが難しい場合もあるでしょう。ただ、在宅ワークをするときは、仕事に関係ないものはなるべく近くに置かない、といった方向で活かせるでしょう。
視界を狭くする
競走馬が時折被っているマスク、あれはブリンカーというそうです。別名、遮眼革。周りの馬が気になって指示が通らない…なんてことが起きないように、視界を遮って集中させるためのものなんだとか。「それ、人間に応用できないか?」と考えました。
念のため、「今から変な恰好していいですか?」と許可を得ました。(繰り返しになるけど、こんなことを許してくれるうちの職場、どうなってるんだ??)そして、やった格好がこれ。
視野がパソコンに固定されるので、意外と集中できました。ただ、デメリットが多すぎました。飲み物を飲むときに箱が落ちそうになる。横を通る人全員に驚かれる。さらに「話しかけづらい」と言われる。そりゃそうだ……
どうやら、ブリンカーから発想された眼鏡、なんてものが一時期販売されていたそうです。ただ、一般的に普及していないこともあり入手が難しく、視界を狭くするのは難易度が高そうです。誰も見ていない在宅ワークならいいかもしれませんが……。
レモンの香りを嗅ぐ
レモンの香りには、頭の働きを活性化させて集中力を高める効果があると言われています。レモンにはビタミンCが入っているらしいということしか知らなかった私も、さっそくスーパーで購入し、オフィスに持ち込みました。
確かに、レモンの香りを嗅ぐと、頭がなんだかスッキリして、集中しやすくなる気がしました。ただ、レモンを掴んでときどき「スー…スー…」と吸い込みつつ働いている様子は異様です。また同僚に引かれた気がしました。
オフィスでやるときは、レモンを掴んで嗅ぐより、普通にレモンティーやレモンバームを使ったハーブティーなどを飲むといいでしょう。
そもそもなぜ集中できないのか?
集中力には波があり、そもそも人間は長時間集中できないと言われています。それでも集中力を発揮したいという人は、集中力を欠く原因を取り除きましょう。
環境が集中力を削いでいる
音がうるさい場所、物が乱雑に置かれている場所、明るすぎる場所などは、気が散りやすくなります。静かな場所に移動する、机の上を片づける、在宅ワークならテレビやラジオを切ってみる、スマホを遠くに置くなど、集中力を保ちやすい環境を作るように心がけてみましょう。
他のことが気になってしまう
音や明かりなどの他にも、気になることがあると集中力は削がれます。例えば、受信トレイ。受信したメールが気にしていると集中力は削がれます。受信トレイは時間を決めて確認するなどの工夫は、集中力維持のためにも大切です。
また、在宅ワークの場合には、家族の様子が気になったり、残っている家事が気になったりすることもあるでしょう。可能ならば、家族に協力をお願いして仕事のできる空間を作ったり、家事は先に終わらせたりしましょう。そうすれば、集中して仕事をしやすくなります。
作業の目的が分からない
何のためにこの作業をしているのか分からないと、集中力を維持するのは難しいものです。
目標を掲げて意識していれば、人は目標達成を目指して集中しやすいと言われます。今日やるべきタスクは何か?何からやっていけばいいか?を整理・確認できれば、集中しやすくなります。
長時間同じことをやっている
長時間同じことをやり続けていると、飽きてしまって、作業効率や仕事の質が落ちてきます。「集中力が切れたな」と思ったら、お茶を飲んだりトイレに行ったりして、5分~10分ほどリフレッシュするといいでしょう。
リフレッシュのタイミングで、つい受信トレイを確認したり、SNSを見たりしたくなるかもしれませんが、止めておきましょう。ついつい頭を使ってしまって、リフレッシュになりません。ただ歩く、肩を回して軽くストレッチするなど、なるべく頭を使わずに仕事から離れることが大切です。
体調不良や疲労
体調が優れなかったり、疲れていたりすると、集中力は削がれてしまいます。睡眠不足にならないように、毎日一定時間眠るように努めたり、ストレスをためないように、自分に合った発散方法を持っておくようにしましょう。
在宅ワークではとくに集中できる工夫を
在宅ワークはなかなか集中できない、という人もいるでしょう。オフィスと違って、普段生活している家で働く在宅ワークは、生活と仕事の切り替えが難しいものです。在宅ワークでも集中力をアップできるように、仕事スイッチをオンにするように意識してみましょう。
- 身だしなみを整える
- 専用の場所に移動する
- 仕事前のルーティンを行う
- 時間にメリハリをつける
- 今日のTODOを確認する
オフィスに出社するように、身だしなみを整えたり仕事専用の場所に移動したりすると、仕事スイッチがオンになるはずです。他にも、仕事前にはコーヒーを飲んでいる、といったルーティンがあるなら、それも実行しましょう。
「仕事専用の場所が作れない」「ルーティンはとくにない」という人は、これを機に仕事前のルーティンを作ってみましょう。トイレに行く、といった当たり前の行動でも、仕事前に必ずやっていると、そのうち切り替えができるようになってきますよ。
家族に協力を仰ぐのも1つの方法です。決まった時間は静かにしておいてもらうだけでも、スイッチをオンにして集中しやすい環境が作れます。ただ、育児や介護などで、どうしても難しいという人も多いでしょう。根本的な解決が難しくても、話を聞いてもらえば気持ちが少しでも楽になって、割り切って働けるようになるかもしれません。
集中力をコントロールしながら働こう
集中力はある程度コントロールできるものと考えて、環境作りやスイッチ作りをしてみましょう。
ただ、実践して思ったのは、自分に合う方法・合わない方法はあるということ。集中力の話になると必ず話題に上るポモドーロテクニックも、私には少し難しく感じましたし、集中できる音楽も人によって違いました。もしも方法を1つ試して集中できなくても、諦めずにいろんな方法を試してみましょう。そうすれば、きっと集中力をアップして働ける方法に出会えるはずです。
自分に合った方法を見つけられれば、すんなりと集中力をアップして仕事に向き合えるようになるでしょう。