男性も事務職に就ける？知っておきたい未経験から目指すポイント

　事務職は女性に支持されやすい職種のため、男性でも就けるのか？という疑問を持つ人もいるかもしれません。もちろん、事務職は男性も従事できる職種です。

　男女雇用機会均等法によって、性別を条件に入れて募集することは法律違反です。そのため、男性だから事務職に就けないといったことはありません。ただ、事務職は人気も高いこともあり、働くには押さえておきたいポイントもあります。

　この記事では、男性が事務職に就く前に知っておきたいことや、未経験から事務職を目指す際のポイントを紹介します。

そもそも事務職とはどんな仕事か？

　事務職と聞くと、「デスクワーク中心」「サポート業務がメイン」といったイメージを持つ人が多いかもしれません。確かにその通りですが、実際の業務内容は多岐にわたり、会社や施設の円滑な運営に欠かせない重要な役割を担っています。

事務職の種類

　一口に事務職と言っても、さまざまな種類があります。ここでは事務職の種類を紹介します。

一般事務

　幅広い業務を担当するオールラウンダー、一般事務。特定の専門分野に偏らず、幅広い事務作業をこなす職種です。企業によって細かい仕事内容は違ってきますが、主に定められた定型的な事務作業を行います。未経験からでも始めやすく、基本的なパソコンスキルがあれば挑戦しやすい仕事です。

営業事務

　営業をサポートする仕事。営業担当者から指示を受けて資料を作成したり、クライアント対応や管理業務等を行います。具体的な業務は会社規模や業種・事業内容によって異なりますが、営業職のサポートが中心となるため、コミュニケーション能力やビジネスマナーが求められます。グローバル企業は、外国語能力が必要になる場合も。営業担当者と連携を取りながら、業務を円滑に進めることが大切です。

経理事務

　会社のお金を管理する専門職です。経理・会計管理のシステムを使って、入出金や資金管理、給与支払いなどを行います。経理事務は、正確性が求められる仕事です。「日商簿記検定」、「簿記能力検定」を取得していると仕事の役に立つでしょう。

人事事務・労務事務

　社員の採用・労務管理を担当する仕事です。採用から退職までの従業員の人事管理や、勤務状況の管理に関わり、事務手続きを行います。人材の管理や社内環境の整備に関わるため、細かい気配りやサポート力が求められます。労働法や人事労務管理に関する知識、採用、賃金制度、社会保険関係の手続きなどに関する知識、経験があれば有利になる場合もあります。

総務事務

　会社全体の運営を支える仕事。総務事務は、社員全体の働きやすい環境を整える仕事です。社内外の問い合わせ対応や、会議や総会の招集・運営、固定資産の管理、社員の行事手配やイベント企画など、幅広い業務を担います。調整や交渉事も多いのでコミュニケーション力が求められ、幅広い業務を担当するため、柔軟な対応力も求められます。

貿易事務

　輸入・輸出といった海外との取引をサポートする仕事。営業部門と連携しつつ、必要な情報を整理したり、契約に必要な書類を作ったりして、貨物輸送の手配をします。語学力が求められる他、諸外国の法律、ビジネスの慣習などの知識も求められます。中途採用では経験者が求められる傾向にあります。

医療事務

　医療機関での事務を担当します。診療報酬を請求するための書類の作成、窓口での外来受付、入退院の手続きなどを行います。専門学校や通信教育などで、専門スキルを勉強してから働く場合が多いのが特徴。医療事務資格を取得するといいでしょう。

学校事務

　学校運営を支える仕事です。庶務、人事労務、会計、教務、募集や入試に関する事務や、進学や就職に関する事務など、学校の事務業務全般を担当します。教育と関連活動がスムーズに進むよう、教育現場を支えます。公立学校では地方公務員が配属され、私立学校では独自の採用試験が行われています。

事務職の平均給与

　事務職は比較的安定した職種ですが、業種や経験、地域によって給与に差が出ることもあります。厚生労働省のjobtagによると、事務職の平均給与の相場は、次のとおりです。

職種	求人賃金（月額）
一般事務	20万円
営業事務	22.3万円
経理事務	23.8万円
人事事務・労務事務	25万円
総務事務	22.3万円
貿易事務	25.3万円
医療事務	19.3万円
学校事務	20.6万円

　事務職は業種や経験によって差があります。特に、貿易事務などの専門職は高収入になりやすいことがわかります。また、未経験の場合はもう少し低い水準からのスタートになることが多いです。

男性が事務職は難しいのか？

　確かに、事務職は「女性が多い職種」というイメージが根強くあります。だからといって、男性だから事務職に就けないということはありません。日本では法律で、性別によって採用可否を決めることが禁止されています。そのため、「男性だから」という理由で事務職に就けないことはありません。

　ただし、事務職自体の人気は高く、未経験OKの求人はなおさら競争率が高くなるでしょう。事務職を目指す男性は、「どんな職場なら自分が活躍できるか？」を考えながら、自分のスキルを見直したり、求人を探すのが成功のカギです。

事務職で働くことのメリットとデメリット

男性が事務職に就くメリット

ワークライフバランスが取りやすい

　事務職の多くは、9時～18時などの固定勤務が基本で、残業も少なめです。繁忙期を除けば、ほとんど定時で帰れる職場が多いため、仕事後の時間を趣味や家族との時間に使いやすいのが魅力です。

　営業職のように取引先との付き合いやノルマに追われることもなく、技術職のように深夜や休日出勤が発生しにくいため、安定した生活リズムを作りやすいのもポイントです。

　また、事務職はデスクワークが中心のため、営業職や技術職と比べて体力的な負担が少ないのも魅力です。長時間の立ち仕事や外回りの仕事がなく、年齢を重ねても無理なく続けられるため、安定して働きたい人には最適な職種と言えます。

安定して働きやすい

　事務職の仕事は、基本的に毎日決まった業務をこなすことが中心になります。プロジェクトの進捗や取引先の都合によって業務内容が大きく変わることは少なく、安定したペースで仕事ができるのが特徴です。

　また、事務職は、ルーティンワークや定型業務が多いのも特徴です。最初は新しい業務に慣れるまで大変かもしれませんが、一度スキルを身につけてしまえば、安定して働き続けられるでしょう。「急な環境変化が少ない仕事がしたい」と考えている方にとって、事務職は非常に働きやすい選択肢です。

男性が事務職に就くデメリット

高収入は望めない場合が多い

　事務職は安定して働けるメリットがある一方で、営業職や技術職と比べると、高収入を得にくい傾向があります。未経験から事務職を目指す男性にとって、この点は事前に理解しておくべきポイントです。

　営業職やエンジニアのように、売上やスキルによって給与が上がる職種とは異なり、事務職の仕事は裏方的な仕事が多く、成果が収入に直結しにくいのが特徴です。また、ルーティンワークが多く、業務の効率化は評価されても、大きく給与が上がることは少ないと言えます。

　収入アップを目指すなら、資格を取得して専門性を高めたり、ITスキルを身につけて市場価値を上げるなどの努力が必要です。

女性の職場に馴染めるか不安

　事務職は女性が多い職場が一般的なため、「男性として職場に馴染めるだろうか？」と不安に感じる方も多いでしょう。女性中心の職場に配属になる可能性は高いので、その覚悟はしておきましょう。

　女性が多い職場では、数少ない男性として目立ちやすいため、何か発言したり行動したりすると「男性の意見」として特別視されることがあるかもしれません。周囲との距離感がつかめず、気を遣う場面が多くなるかもしれません。また、職場の人間関係で悩んだ時、同じ立場で共感してくれる男性社員が少ないため、気軽に相談できる相手が見つかりにくい可能性もあります。

　一方で、違う視点から意見を出せる男性がいると職場のバランスが取れることもあります。また、男性がいるからこそ、職場の雰囲気が和らぐこともあります。営業や他部署との橋渡し役として活躍できる場面もあるでしょう。あまり不安になりすぎず、飛び込んでいきましょう。

事務職に転職するときのポイント

志望動機をよく考えておく

　未経験で事務職に転職する場合、面接で必ず聞かれるのが「なぜ事務職を希望するのか？」という質問です。

　「事務職としてどんな貢献ができるか？」を意識した志望動機を考えて臨むようにしましょう。

転職エージェントを利用する

　事務職は人気があるため、求人に応募しても競争率が高く、なかなか採用されないこともあります。そこで、転職エージェントを利用すると、より有利に転職活動を進められます。

　特に、未経験から事務職を目指す場合は、エージェントを活用して「未経験歓迎」の求人を紹介してもらうのがおすすめです。「自分に合った事務職の求人が見つからない」という方は、転職エージェントに相談してみましょう。

パソコンスキルを身につける

　事務職では、ExcelやWordなどのパソコンスキルは必須です。特に、Excelは実務でよく使われるため、最低限のスキルを身につけておくと良いでしょう。

　また、未経験から事務職を目指す場合、資格を取得するとアピールになります。

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