転職活動で避けては通れないのが面接です。面接はそれ相応の準備がいるものなので、早めに動き出しましょう。この記事では、面接の心構え、準備、ふるまい方、質問例、注意点、いざという時の対応方法など、面接全体のポイントを紹介します。
面接は応募企業を“見る”場
一般的に面接は、応募者が会社や社風に合っているかどうか、求めるスキルを持っているかどうかなど、適性の確認と評価がなされる場所です、そのため、一方的に“見られる”場と思いがちです。しかし、面接は見られるだけではなく、“見る”場でもあります。
面接は、応募企業で働く人と話をするチャンスです。求人票からは見えにくい会社の雰囲気を知れるでしょう。ここで長く働けそうか、今の仕事を辞めてここでやっていきたいか、しっかりと考えることができます。
そのように、面接を“見られる”だけでなく“見る”場にするためにも、次のポイントを意識して、準備し、当日に臨みましょう。
・ミスが許されない、と過剰に緊張しない
・企業や商品について研究した上で臨む
・判断する目線を忘れずに意識して臨む
また、面接を経て、志望度が上がることもあります。本当に行きたいと思う面接だけ受けるのではなく、まずは“見る”ために受けるのがおすすめです。
面接の準備
ここでは、面接の準備としてやっておくべきことを紹介します。
面接に必要な持ち物を揃える
一般的に、面接に必要なものは次のものがあります。これらを前日までに準備して、面接当日に備えましょう。
企業指定のもの | 面接時に持ってくるよう指定されたものは、忘れずに揃える |
筆記用具 | 面接会場で書類に記入する場合がある |
身分証明証 | 面接会場に入るときに、提示を求められることがある |
担当者の名前・連絡先の控え | 遅れそうになった場合など、いざという時に連絡できるように備える |
面接対策にあると便利なもの
面接会場に着くまでの道中で、これらのものがあると面接対策ができて便利です。なお、面接会場に着いたら鞄に入れて、確認しないようにしましょう。
履歴書・職務経歴書のコピー | 企業にどんな資料を提出したか確認する |
求人票のコピー | どんな求人でどんな人材を求めているのか確認する |
面接で聞きたいことのメモ | 企業を“見る”ために、面接前に確認する |
いざというときに便利なもの
急な天候不良など、不意の事態に対応できるように、これらのものがあると便利です。
折り畳み傘 | 急な雨に濡れないように、鞄に入れておく |
予備のストッキング | 穿いているストッキングが伝線・汚損した時のために持って行く |
面接の質問に備える
面接に備えて、次のことは必ずやっておきましょう。時間がかかることもあるので、余裕を持って準備します。
企業について調べる
まずは、面接を受ける企業についてしっかりと調べます。面接では「なぜその企業じゃないといけないのか」が言えないといけません。そのためには、企業の基本的な概要だけでなく、どのように利益を出していて、競合他社と比べるとどうなのか、強みや弱み、展望や課題もできるかぎり把握しておきましょう。
それを踏まえれば、志望動機も考えやすくなると同時に、転職後にどのように貢献できるのかも具体的に伝えやすくなります。また、企業理念を調べれば、自分に合う企業・社風なのかを知ることもできます。
調べておきたい企業情報
・正式名称
・企業理念
・事業内容
・ビジネスモデル
・業界内の立ち位置
・競合他社との比較
企業情報は、ニュース、会社四季報や業界地図などといった書籍の他に、企業のホームページなどから調べられます。また、サービスや商品を実際に利用するのもひとつの方法です、
退職・転職・志望理由を整える
退職理由、転職理由、志望理由は、混同されがちですが同じものではありません。
退職理由 | 「〇〇が叶わないから」というような、退職を決めるきっかけや原因 |
転職理由 | 「〇〇を叶えるため」というような、退職のきっかけに対する解決策 |
志望理由 | 「ここなら〇〇が叶えられるから」というような、その企業に興味を持った動機 |
退職理由、転職理由、志望理由は、一貫性が大切です。「〇〇が叶わないから」退職し、「〇〇を叶えるため」に転職をし、「ここなら〇〇が叶えられるから」応募をした、という1本のストーリーが矛盾なく繋がるように、整えていきましょう。ストーリーが自分のキャリアプランや働く目的と関連していると、より説得力があるものになります。
面接で退職理由を聞かれたときには、愚痴っぽくならないようにしましょう。同じ退職理由でも、改善するためにどのような行動を取ったのか、自分では改善できない状況だったのかを説明できると印象が変わります。「朝7時から夜0時までの労働が常態化」と具体的な数値を入れると、より相手にも伝わりやすくなります。
転職理由は、退職のきっかけに対する解決策なので、前向きなものです。退職理由をポジティブに言い換えるつもりで考えてみましょう。そうすれば自然と一貫性のある転職理由になります。
志望動機は、企業について調べた上で考えます。応募先で実現可能なことを、自分のキャリアプランや働く目的と関連づけて話せるようになっておきましょう。
アピールポイントを整える
現職の実績やスキルなど、アピールポイントはたくさんあるかもしれませんが、すべてを伝える必要はありません。企業が求める人物像と結びつけられる部分を、自己PRとしてアピールするのです。
例えば「ブログを早くたくさん書ける人が欲しい」と思っている企業に、「時間をかけてクオリティの高い記事を書いてきた」とアピールしても意味がありません。ブログを早くたくさん書ける人が欲しい企業には、早くたくさん書けることをアピールが必要なのです。もしそのようなアピールができないのであれば、もしかしたらその企業はあなたに合っていないかもしれません。
企業が求める人物像や募集職種が求めるスキルをしっかりと見極めて、あなたが持つアピールポイントと結びつけて用意しておきましょう。
聞いてみたいことを考える
聞いてみたいことはメモしておいて、面接で聞いてみましょう。ただし、調べて分かることを聞くと、調査不足と受け取られてしまいます。調べても分からないことは、働いている人だからこそ分かることを聞いてみましょう。この時のポイントは、具体的な質問を考えることです。
例えば「個人的に、御社のことをどう思いますか?」といった質問は具体的ではありません。聞かれた相手も、あいまいにしか答えられないでしょう。「個人的に見て、御社の評価点と課題点は何だとお考えですか?」のように何を聞きたいのか、何を答えればいいのか、はっきり伝わる問いを考えましょう。
なお、福利厚生のことばかり聞いていると、「企業・業務に興味がないのか?」と、あまり印象は良くありません。働いている人にこそ聞いてみたいことを考えておきましょう。
面接に合わせた身だしなみに整える
面接の身だしなみとして重要なことは「清潔感」と「TPO」です。
どの企業であれ、清潔感は必須です。スーツに汚れやシワがないようにクリーニングに出すだけでなく、着こなしにも気を使いましょう。ボタンをキチンと止める、寝ぐせを直すなど、細かいところまで見られています。
また、時間や場所にわきまえた格好ができるかどうかという、ビジネスマナーも見られています。企業や職種によって求められる格好は違います。個性やセンスが求められるアパレルや広告系の企業ならトレンドを意識した格好を、金融系や公務員などかちっとした格好が好まれる企業ならスーツを、というように社風に合わせて恰好を考えましょう。
髪 | ・髪の毛は顔にかかっていないか? ・寝ぐせは付いていないか? ・髪の毛が痛んでぼさぼさになっていないか? ・髪色は落ち着いているか? |
顔 | ・ひげの剃り残しは無いか? ・メイクは派手過ぎずナチュラルか? |
スーツ | ・体型に合っているか? ・シワ、汚れ、ほつれ、仕付け糸が付いていないか? ・色味は落ち着いているか? |
シャツ・ブラウス・カットソー | ・アイロンはかかっているか? ・襟や袖口に汚れやヨレがないか? ・無地のものか? ・光沢や透け感はないか? |
足元 | ・靴の色はダーク系か? ・靴に装飾はないか? ・ストッキングは伝線していないか? |
【対面面接】面接会場までのルートを調べる
面接会場までのルートを必ず調べておきます。案外、最寄り駅からのルートが分かりにくく時間がかかってしまうことがあります。地図を見て、駅の何番出口から出ればいいのか、どの道を通って行けばいいのかを確認しておきましょう。
同時に、面接会場まで何分くらいかかるのかを把握しておきます。余裕をもって到着するには何時に出ればいいのかが分かります。もし電車が止まっていた場合に備えて、複数のルートを押さえておくと安心です。
【オンライン面接】通信環境を整える
オンライン面接の場合、オンラインで面接をしても通信が途切れないかの確認が必要です。できれば、面接で使うZoomやTeamsといった通信ツールを実際に使ってみて、通信が途切れることがないか、音声や画像が途切れないかを確認をします。
自宅から行う場合には、家族などの協力も必要になります。面接時間は誰もいない空間が確保できるように依頼しておきましょう。また、背景が片付いていないとみっともありません。壁を施にして座れるように調整する、もしくは背景画像を設定するなどします。また、面接を行う部屋はできるかぎり片づけておき、面接に集中できるようにします。
なお、スマホだと企業が指定する通信ツールが非対応の場合があります。また、画面が小さいので、相手や自分の様子などが確認しづらくなります。パソコンを持っていない場合は、個室のあるネットカフェに行くなどして、なるべくパソコンを使ってオンライン面接を受けるようにしましょう。
面接直前の確認事項
ここでは面接前にやるべきことを確認します。
面接会場に着く前に通信機器を確認する
建物に入る前に、携帯電話などの通信機器はオフにして、鞄に入れましょう。マナーモードでは、面接中に振動してしまうこともあります。面接の妨げになるので、必ず電源をオフにします。
近年はスマートウォッチなど、時計型の通信機器を使う人も増えています。時計なので電源を切りたくないという人もいるかもしれませんが、面接中に振動音が鳴ってしまってはいけません。面接の日には、スマートウォッチを着けず、普通の時計を付けて臨むのがおすすめです。
なお、携帯に面接のメモを書いているという人もいるかもしれませんが、メモを見ながら面接はできません、到着までに確認を済ましておくようにしましょう。
余裕をもって面接会場に訪問・ログインする
対面面接・オンライン面接は遅刻厳禁です。指定の時間に送れないように行動をしましょう。対面面接の場合、応募企業には10分前にはついておくようにします。ただし、早く着き過ぎても迷惑になる場合もあります。15分以上前に到着した場合は、トイレに行く、カフェに入るなどして、会社の外で待つようにしましょう。
受付がある場合、訪問の理由、自分の名前、担当者の部署・名前を伝えます。無人の受付の場合は、インターホンやタッチパネルを介して伝えます。受付が無い場合には、近くの方に声をかけて、取り次ぎをお願いしましょう。
「中途採用の面接で参りました、〇〇と申します。人事部の〇〇様と〇時にお約束をしています。お取次ぎをお願いします。」
オンライン面接の場合は、5~10分前にオンライン通話システムにログインして、すぐに面接がはじめられる状態で待機するようにします。
対面面接の場合も、オンライン面接の場合も、遅刻は厳禁です。時間に余裕を持って行動しましょう。また、いずれの場合も誰かに見られていることを意識して、気を抜かずに過ごすようにしましょう。
【対面面接】受付で持参した指定書類を提出する
受付で持参した履歴書や職務経歴書を提出することもあります。面接官以外の人に提出する場合には、封筒に入れたまま、両手で手渡しします。
なお、郵送する時と違って、手渡しの場合には封筒に送付状を入れず、封もしません。履歴書や職務経歴書を手渡しするにもマナーがあります。そのマナーに則って、準備しておくようにしましょう。
関連記事 好印象な【送付状の書き方】履歴書の郵送方法・手渡し方法のポイントとマナー
面接中のふるまい方
ここでは、面接中のふるまい方と、よく聞かれる質問を確認します。
面接会場への入室・あいさつ
面接会場への入室には、「面接官が待つ部屋に入室する場合」「面接官と一緒に入室する場合」「先に入室して面接官を待つ場合」「オンライン面接の場合」の4通りが考えられます。どの場合でも対応できるように確認しておきましょう。
面接官が待つ部屋に入室する場合
1.ノックを3回して、扉を開ける。
2.入室し、面接官に背を向けずにドアを閉める。
3.フルネームで自己紹介。そして「本日はよろしくお願いいたします」とあいさつする。
4.面接官から「おかけください」と指示されたら、「失礼します」とお辞儀して着席する。カバンはイスの横に立てて置く。
日本企業の場合、ノックは3回がビジネスマナーとされています。しっかりとノックし、気持ちを落ち着けて入室しましょう。
面接官と一緒に入室する場合
1.面接官が来たら、立ち上がる。
2.フルネームで自己紹介。「本日はよろしくお願いいたします」とあいさつする。
3.面接官の指示に従って入室する。
4.面接官から「おかけください」と指示されたら、「失礼します」とお辞儀して着席する。カバンはイスの横に立てて置く。
面接官の指示に従って行動します。もし、移動中に面接官に話を振られたら応じましょう。ただし、自分からべらべらと喋るのではなく、相手に合わせて会話を続けることを意識します。
先に入室して面接官を待つ場合
1.案内の人の指示に従って入室する
2.部屋の下座(入室した扉に一番近い席)の横に立つ
3.面接官が来たら、立ったままフルネームで自己紹介。「本日はよろしくお願いいたします」とあいさつする。
4.面接官から「おかけください」と指示されたら、「失礼します」とお辞儀して着席する。カバンはイスの横に立てて置く。
入室したら、部屋の下座の横に立ちます。ただし、案内の人から着席の指示があれば、座って待つようにしましょう。その場合、面接官が来たタイミングで立ち上がって、自己紹介とあいさつをします。その後、面接官から「おかけください」との指示を受けて着席します。
オンライン面接の場合
1.企業から発行されたURLにアクセスして入室する
2.カメラと音声を付けて待機
3.面接官が映ったら、カメラを見て「本日はよろしくお願いいたします」あいさつをして、フルネームで自己紹介をする。
入室したら、面接会場に入ったことと同じです。相手の画面が映っていなくても気を抜かずに待機していましょう。つい画面を見て会話したくなりますが、それでは相手には俯いてみえてしまいます。できる限りカメラ目線で会話するようにしましょう。もし入室できなかった場合は、面接担当者にその旨の連絡を入れましょう。
面接でよく聞かれる質問
面接で聞かれる質問は、担当する面接官によっても違います。例えば、人事なら「会社や社風に合うのか」を確認することが多いです。そのため、体育会系の会社であれば、そのような経験やポテンシャルを、論理的な考え方が好まれる職場ならロジカルなものの見方ができるかが見られています。
一方、現場担当が面接官だった場合には、これまでの実績やスキルが重点的に見られます。これまでどのような業務をどのようにやってきたのかを、具体的に答えられるように準備しておきましょう。
なお、一般的にほぼ必ず聞かれる質問には、次のものがあります。
自己紹介をしてください
NG例
「〇〇〇〇(名前・フルネーム)と申します。印刷営業として〇年働いています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」
OK例
「〇〇〇〇(名前・フルネーム)と申します。これまで新卒から〇年間、印刷業界で営業職として従事してまいりました。主に、食品メーカーのお客様に対し、デザインから製品の完成までの一貫したサポートを行い、お客様からの信頼を築き上げてきました。また、新規顧客の開拓や既存顧客の関係強化に努め、売上を〇%増加させることに成功しました。今日はお客様のためにというビジョンや価値観に共感を覚え、面接に伺いました。私の営業経験とスキルを通じて印刷部門の更なる成長に貢献したいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。」
自己紹介では、応募した職種で活かせる経験・スキル・実績について完結に伝えましょう。ただし、詳しい話はあとで話すため、ここで話し過ぎないようにします。また、企業への前向きな気持ちを伝えると、スムーズに面接をスタートさせることができます。あまり長くなりすぎないように、2~3分程度で話しましょう。
なお、「現職の職務内容を交えて」「経歴を交えて」と細かい指定が入ることもあります。いくつかのパターンを考えて、対応できるように練習しておくといいでしょう。
・経験やスキルを完結に伝える
・応募先企業で働きたいという意欲を交える
・2~3分にまとめて話す
転職理由を教えてください
NG例
「現職は残業時間が長く、自分の時間が確保できないので、転職を決意しました。」
OK例
「現職は、朝8時から夜0時までの勤務が常態化しています。改善案を提案したのですが「これまでこれで行ってきた」と受け入れられませんでした。自分の今後のキャリアを考えたときに、自己学習を行う時間を確保できる環境で働きたいと考えるようになり、転職を決意しました。」
面接官は「同じ理由で退職しないか」「問題があっても解決しようと動ける人か」を見ています。そのため、現在の愚痴を言うのではなく、自分のキャリアや生活を考えて選択したこと、改善しようと動いたことなどを伝えましょう。
「朝8時から夜0時まで」「月収15万円」など、改善したい現状を具体的に伝えると、身勝手な理由ではない、個人の能力不足ではないと伝わり、面接官を納得させられます。ただし、ウソをついて取り繕う必要はありません。
・愚痴ではなく前向きな理由を言う
・改善しようと努力したことを交える
・改善したい現況を具体的に伝える
・取り繕ったりウソをついたりしない
志望動機を教えてください
NG例
「御社を志望した理由は、人の役に立つ仕事をしたいと思ったからです。
これまでエンジニアとして働いてきた経験を活かして、今度は教育業界に貢献したいと思います。」
OK例
「御社を志望した理由は、その社会的貢献と個人的成長の機会に魅力を感じるからです。
御社は、「IT×教育」という独自のサービスを展開していらっしゃいます。人手不足に悩まされてる教育業界に対して、教材の開発や学習プラットフォームの構築、データ分析による個別指導など、現場を支える新たなサービスを開発しており、シェアもトップクラスです。また、全ての人が平等な機会を持ち、才能を発揮できる社会を実現するという御社のビジョンに共感しました。
御社なら、エンジニアとして成長できると同時に、「人の役に立つ仕事がしたい」とエンジニアになった私にとって、多くの人に役立つ仕事ができると思いました。」
「退職・転職・志望理由を整える」で確認したように、志望動機とは「ここなら〇〇が叶えられるから」というような、その企業に興味を持った動機です。
応募先企業の強みと、「〇〇を叶えたい」という自分のキャリアを結びつけて、「〇〇を叶えるために、〇〇で働く必要がある」が言えるようになりましょう。
・他社でなく応募先企業でないといけない理由を伝える
・自分のキャリアと結びつけて話をする
強みを教えてください(自己PR)
NG例
「現職では、自社が運用する20代女性向けオウンドメディアで、記事を書いています。」
OK例
「現職では、自社が運用する20代女性向けオウンドメディアで、記事を書いています。常にSEOを意識して文章を工夫し、オリジナリティのある記事を月15本作成しています。その結果、PV数をこの半年で10万から50万に伸ばしました。」
自己PRは、必ず求められているものをアピールします。「アピールポイントを整える」でも解説したように、求める人物像とかけ離れた経験やスキルをアピールしても意味がありません。どのような人が求められているのかを意識してアピールしましょう。
アピールは具体的に伝えます。ただ業務経験がある、というだけではアピールになりません。どのような目的を持ってどう行動したのか、何を意識して働いてきたのか、といったエピソードがあれば、あなた自身のアピールになります。また、数値を交えながら話せば、より具体的に伝わります。
・企業が求める人と一致した経験、実績、スキルをアピールする
・具体的な行動やエピソードで伝える
・他の人とは何が違うのかを示す
・実績は数値で示す
質問があればどうぞ(逆質問)
NG例
「平均残業時間は、月何時間ですか?」
OK例
「帰宅後には、勉強をして〇〇の資格を取りたいと考えています。残業に抵抗はありませんが、そういった事情から月50時間以上の残業が日常的にあると難しいと考えています。平均残業時間は、だいたい何時間でしょうか?」
「質問があればどうぞ」と言われたら、必ず質問をしましょう。「聞いてみたいことを考える」で確認したように、質問内容は調べても分からないことにします。そして、相手に沿ったものをにしましょう。例えば、人事担当の人に現場の働き方を聞いても、はっきりと答えられないでしょう。現場のことは現場担当者が面接官の時に聞きましょう。
また、聞き方にも工夫が必要です。残業時間を聞くにしても、ただ聞いてしまうのと、どうして気になるのかを説明した上で聞くのでは、印象が違ってきます。勘違いされないように、意図を伝えた上で質問するのがおすすめです。
・必ず質問をする
・調べれば分かることは聞かない
・相手を見て質問をする
・勘違いされないように、意図を伝える
イレギュラー対応方法
準備を整えていても、不意な理由で約束の日時に行けないこともあるかもしれません。その時は、なるべく早く連絡するのが一般的です。
連絡する時には、採用担当者の所属と名前を確認し、担当者に直接伝えるようにします。もし、面接担当者の名前が不明の場合は、「面接の担当者さまはいらっしゃいますか」と聞いてみましょう。
なお、エージェント経由で転職活動をしている場合には、コーディネーターに連絡して相談しましょう。一般的には、コーディネーターから対応してもらえます。
面接に遅れそうな時
余裕をもって出かけたにも関わらず、電車の遅延などで送れそうな時には「電話で」連絡をしましょう。担当者は面接のためにスケジュールを割いてくれています。その時間がずれてしまうのですから、まずはしっかりとお詫びをしましょう。
電話での連絡例
「お世話になっております。〇月〇日〇時から面接のお約束をいただいている〇〇〇〇(名前・フルネーム)と申します。今、御社に向かっているのですが、〇〇線が車両故障で止まってしまい、到着が遅れてしまいそうです。大変申し訳ありません。〇時〇分には到着できる見込みです。大変恐れ入りますが、本日、面接を受けさせていただくことは可能でしょうか。」
場合によっては、時間や日程をずらして、再度面接を設定してもらえるかもしれません。その時には、面接の冒頭でしっかりとお詫びをし、再設定してもらったことへ感謝を伝えましょう。
面接日時をあらためてほしい時
基本的に、一度決まった面接日は動かせません。面接の担当者も、その時間に選考するつもりで準備を進めていますし、他の仕事のスケジュールも、固めているからです。それでも、体調不良や家の都合などで面接会場に行けず日程を改めてほしい場合や、荒天が予想されて不安な場合は、無断キャンセルなどせず、必ず連絡をしましょう。
日程変更の連絡は、できる限り早い段階で「電話」で行います。
電話での依頼例
「お世話になっております。〇月〇日〇時から面接のお約束をいただいている〇〇〇〇(名前・フルネーム)と申します。大変申し訳ありませんが、昨日から発熱してしまい、現在も38度の熱が続いている状態です。大変恐れ入りますが、面接の日程を変更していただくことは可能でしょうか。」
日程変更を受け入れてもらえた時には、お礼と確認の連絡を「メール」でします。
お礼と確認のメール例
「〇〇株式会社
人事部 〇〇様
お世話になっております。
営業職の求人に応募している、〇〇(名前)です。
この度は、面接の日程を変更してくださり、誠にありがとうございます。
ご連絡いただきました、下記日時に貴社へお伺いします。
〇月〇日(〇)〇時
この度はご迷惑をおかけし、大変申し訳ありません。
当日は何卒宜しくお願い致します。」
スケジュールを変更することは、あまり良い目では見られません。場合によっては、マイナス評価に繋がるもしくは選考終了になると心得ておきましょう。
面接をキャンセルしたいとき
他で内定が決まったなど、進めている選考をキャンセルしたい場合は、必ず連絡を入れます。選考日時が迫っている時は「電話」で、そうでない時は「メール」で選考辞退の旨を伝えましょう。
電話での連絡例
「お世話になっております。〇月〇日〇時から面接のお約束をいただいている〇〇〇〇(名前・フルネーム)と申します。先ほど他社から内定が出たため、大変申し訳ありませんが、御社の面接を辞退させていただきたく、ご連絡を差し上げました。急な連絡となってしまい、大変申し訳ございません。」