「50代になって、休日に何をしたらいいか分からなくなった」「同じ年代の人は、どんな趣味を持っているんだろう」。そう思ったときに、ネットの「おすすめ○選」より先に知っておきたいのは、実際に同じ年代の人が何をしているかではないでしょうか。
この記事では、国(総務省)が5年ごとに行っている「社会生活基本調査」の結果から、50代の趣味を男女別・年齢別に並べ直しました。全国の約9万1千世帯・10歳以上の約19万人を対象にした調査の数字です。
この記事で分かること
- 50代の約9割(89.0%)は、何かしらの趣味を楽しんでいる。上位3つ(音楽・映画・ゲーム)は男女とも同じで、どれもスマホやテレビの画面で楽しむもの
- 男女で違いが出るのは4位から。男性はマンガ・日曜大工・スポーツ観戦、女性は園芸・料理・手芸が上位に入る
- 50代は、趣味が入れ替わる10年。40代後半から60代前半にかけて、ゲームとマンガは半分以下に減り、園芸は1.5倍に増える
- 「やる人が多い趣味」と「やる人がよく続けている趣味」は別。楽器の演奏をする50代は8%ほどだが、その人たちは年に平均65日(週1回以上のペース)演奏している
後半では、この数字を自分に当てはめる3つの問いと、きっかけのヒントを紹介します。
この記事の数字について
- 出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」(調査日は2021年10月20日)。数字は「行動者率」で、過去1年間(2020年10月20日〜2021年10月19日)にその趣味を1回以上した人の割合です
- 「50代」の数字は、同じ調査の第3表(50〜59歳)の値です。「50〜54歳」「55〜59歳」は第30-2表の値です
- 調査期間には新型コロナの緊急事態宣言の時期が含まれます。外出をともなう趣味(カラオケ・映画館・美術館など)は、ふだんの年より低めに出ている可能性があります
発見1:50代の約9割が、何かしらの趣味を楽しんでいる
この1年に何かしらの趣味・娯楽をした50代は89.0%。50〜54歳で89.7%、55〜59歳で88.2%です。60代になると85%前後に下がるので、50代は「趣味をしている人の割合」がまだ高い年代と言えます。
裏を返すと、50代でも10人に1人は「この1年、趣味と呼べることを特にしなかった」ことになります。
50代に多い趣味ランキング
| 順位 | 趣味 | 50代 | 50〜54歳 | 55〜59歳 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞 | 59.5% | 62.2% | 56.2% |
| 2 | 映画鑑賞(映画館以外。テレビ・DVD・パソコンなど) | 58.5% | 59.9% | 56.9% |
| 3 | スマートフォン・家庭用ゲーム機などによるゲーム | 39.9% | 42.6% | 36.6% |
| 4 | 趣味としての読書 | 34.2% | 34.2% | 34.3% |
| 5 | マンガを読む | 33.9% | 39.0% | 27.9% |
| 6 | 園芸・庭いじり・ガーデニング | 30.0% | 28.0% | 32.3% |
| 7 | 映画館での映画鑑賞 | 27.3% | 29.6% | 24.5% |
| 8 | 写真の撮影・プリント | 23.3% | 23.5% | 23.0% |
| 9 | 趣味としての料理・菓子作り | 17.7% | 18.4% | 16.9% |
| 10 | スポーツ観覧・観戦(テレビなどは除く) | 15.6% | 16.5% | 14.6% |
出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」第3表・第30-2表をもとに編集部で作成
上位3つは、音楽を聴く・家で映画を見る・ゲームをする。どれもスマホやテレビの画面で、ひとりで気軽に楽しめるものです。
なかでも目立つのがゲームです。50代の4割(39.9%)がこの1年にゲームをしていて、5年前の調査(2016年)の27.1%から12.8ポイント増えました。スマホで音楽を聴く人も、50.6%から59.5%に増えています。一方、カラオケ(25.6%→7.1%)や遊園地・動植物園(28.1%→13.0%)は大きく減りました。こちらはコロナで外出が減った影響が大きいとみられます。
発見2:男女で違いが出るのは、4位から
50代男性の趣味ランキング
| 順位 | 趣味 | 50代男性 | 50〜54歳 | 55〜59歳 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞 | 57.7% | 59.6% | 55.4% |
| 2 | 映画鑑賞(映画館以外) | 57.6% | 58.5% | 56.5% |
| 3 | ゲーム(スマートフォン・家庭用ゲーム機など) | 39.1% | 43.5% | 33.7% |
| 4 | マンガを読む | 36.1% | 41.2% | 30.1% |
| 5 | 趣味としての読書 | 30.7% | 30.2% | 31.4% |
| 6 | 映画館での映画鑑賞 | 24.8% | 27.1% | 22.2% |
| 7 | 園芸・庭いじり・ガーデニング | 22.0% | 20.4% | 24.0% |
| 8 | 日曜大工 | 21.4% | 20.9% | 22.0% |
| 9 | 写真の撮影・プリント | 21.0% | 20.0% | 22.2% |
| 10 | スポーツ観覧・観戦 | 19.7% | 19.9% | 19.5% |
出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」第3表・第30-2表をもとに編集部で作成
男性では、マンガが読書より上の4位。日曜大工とスポーツ観戦は、5人に1人がしています。10位の次は、パチンコ(12.1%)、遊園地・動植物園(11.8%)、美術鑑賞(10.7%)と続きます。
50代女性の趣味ランキング
| 順位 | 趣味 | 50代女性 | 50〜54歳 | 55〜59歳 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞 | 61.2% | 64.9% | 56.9% |
| 2 | 映画鑑賞(映画館以外) | 59.5% | 61.4% | 57.2% |
| 3 | ゲーム(スマートフォン・家庭用ゲーム機など) | 40.7% | 41.7% | 39.5% |
| 4 | 園芸・庭いじり・ガーデニング | 37.9% | 35.8% | 40.4% |
| 5 | 趣味としての読書 | 37.7% | 38.2% | 37.1% |
| 6 | マンガを読む | 31.7% | 36.7% | 25.8% |
| 7 | 映画館での映画鑑賞 | 29.7% | 32.2% | 26.8% |
| 8 | 趣味としての料理・菓子作り | 27.8% | 28.9% | 26.4% |
| 9 | 写真の撮影・プリント | 25.6% | 27.1% | 23.9% |
| 10 | 編み物・手芸 | 17.3% | 15.8% | 19.1% |
出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」第3表・第30-2表をもとに編集部で作成
女性では、園芸が4位。55〜59歳では40.4%と、ゲームを上回って3位になります。料理・菓子作りは4人に1人以上、編み物・手芸は6人に1人がしています。10位の次は、美術鑑賞(14.9%)、遊園地・動植物園(14.1%)、スポーツ観戦(11.6%)、和裁・洋裁(10.6%)です。
男女の差が大きい趣味
50代で、男女の差がとくに大きかった趣味です(行動者率)。
- 女性に多い:料理・菓子作り(女性27.8%・男性7.6%)、編み物・手芸(17.3%・0.5%)、園芸(37.9%・22.0%)、和裁・洋裁(10.6%・0.7%)、美術鑑賞(14.9%・10.7%)
- 男性に多い:日曜大工(男性21.4%・女性7.6%)、パチンコ(12.1%・3.0%)、スポーツ観戦(19.7%・11.6%)、キャンプ(6.4%・2.8%)、将棋(3.4%・0.4%)

ただし、少ない側の人がその趣味に向いていない、というわけではありません。たとえば、趣味として料理をする50代男性は7.6%と少ないものの、している男性は年に平均49日ほど料理をしています。女性(年に平均26日ほど)の2倍近い頻度です。始める人は少なくても、始めた人はよく続けている趣味だと言えます(平均の日数は第30-3表をもとに編集部で計算)。
男性の趣味の見つけ方は、大人の男に趣味がないのは普通?「好き」はあるのに趣味と言えない理由と、見つけ方でくわしく紹介しています。
発見3:50代は、趣味が入れ替わる10年
50代の前後もあわせて、年齢ごとに並べると、50代の10年で大きな入れ替わりが起きているのが分かります。
| 趣味 | 45〜49歳 | 50〜54歳 | 55〜59歳 | 60〜64歳 |
|---|---|---|---|---|
| ゲーム | 53.8% | 42.6% | 36.6% | 26.3% |
| マンガを読む | 47.3% | 39.0% | 27.9% | 19.2% |
| CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞 | 64.9% | 62.2% | 56.2% | 46.5% |
| 映画館での映画鑑賞 | 32.2% | 29.6% | 24.5% | 21.5% |
| キャンプ | 7.6% | 5.0% | 4.1% | 2.9% |
| 園芸・庭いじり・ガーデニング | 24.2% | 28.0% | 32.3% | 37.9% |
| 美術鑑賞 | 10.7% | 12.1% | 13.6% | 13.5% |
| 編み物・手芸 | 8.3% | 8.1% | 9.8% | 10.3% |
| 華道 | 0.7% | 1.3% | 1.7% | 2.5% |
出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」第30-2表をもとに編集部で作成

ゲームとマンガは、40代後半から60代前半の15年ほどで半分以下に。反対に、園芸は24.2%から37.9%へと1.5倍に増えます。55〜59歳まではゲームのほうが多く、60〜64歳では園芸のほうが多い。50代の終わりは、ちょうど「画面で遊ぶ趣味」と「手を動かして育てる趣味」が入れ替わる時期にあたります。
美術鑑賞・手芸・華道・茶道も、数は小さいながら50代で少しずつ増えています。一方、読書(34%前後)と日曜大工(14%前後)は、この15年ほとんど変わりません。年齢に左右されにくい、長く続く趣味と言えそうです。
60代以降の変化は、60代の趣味ランキング|国の統計で見る、年を重ねて「増える趣味」「減る趣味」にまとめています。
発見4:「やる人が多い趣味」と「よく続けている趣味」は別
ランキングは「この1年に1回でもした人の割合」です。では、している人はどのくらいの頻度でしているのか。同じ調査の「平均行動日数」(している人が1年に何日したか)を見ると、別の顔が見えてきます。
| 趣味 | 50代の行動者率 | している人の平均日数(年) | 目安 |
|---|---|---|---|
| ゲーム | 39.9% | 163日 | 週3回ほど |
| CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞 | 59.5% | 122日 | 週2〜3回 |
| 趣味としての読書 | 34.2% | 75日 | 週1〜2回 |
| 楽器の演奏 | 7.9% | 65日 | 週1回以上 |
| マンガを読む | 33.9% | 61日 | 週1回ほど |
| 詩・和歌・俳句・小説などの創作 | 1.1% | 50日 | 週1回ほど |
| 園芸・庭いじり・ガーデニング | 30.0% | 46日 | 週1回弱 |
| 映画鑑賞(映画館以外) | 58.5% | 46日 | 週1回弱 |
| 写真の撮影・プリント | 23.3% | 39日 | 月3回ほど |
| 日曜大工 | 14.5% | 11日 | 月1回ほど |
出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」第3表・第30-2表・第30-3表をもとに編集部で作成。平均日数は、50〜54歳と55〜59歳の値を、それぞれの行動者数で重みづけして計算
目を引くのは、楽器の演奏や創作のように「している人は少ないのに、している人はよく続けている」趣味です。楽器の演奏をした50代は7.9%ですが、その人たちは年に平均65日、つまり週1回以上のペースで演奏しています。囲碁(0.6%・49日)や社交ダンス(0.8%・70日)も同じ形です。
反対に、映画(映画館以外)は6割近くがしていても、している人の平均は年46日。気軽に始められる趣味ほど「ときどき楽しむもの」になりやすく、始めるのに少し手間がかかる趣味ほど、始めた人は生活の一部にしている、という傾向が見えます。
あわせて見る:50代のスポーツは「歩く」が半分
この1年に何かしらのスポーツをした50代は64.9%(編集部で計算)。いちばん多いのはウォーキング・軽い体操で、50代の46.0%がしています。
| 順位 | 50代男性 | 割合 | 50代女性 | 割合 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ウォーキング・軽い体操 | 41.4% | ウォーキング・軽い体操 | 50.5% |
| 2 | ゴルフ(練習場を含む) | 14.5% | 器具を使ったトレーニング | 13.1% |
| 3 | 器具を使ったトレーニング | 13.3% | ヨガ | 11.9% |
| 4 | つり | 12.2% | 登山・ハイキング | 8.3% |
| 5 | ジョギング・マラソン | 11.5% | サイクリング | 5.4% |
| 6 | 登山・ハイキング | 10.1% | ジョギング・マラソン | 4.2% |
出典:総務省「令和3年社会生活基本調査」第15-2表をもとに編集部で作成(50〜54歳と55〜59歳の値を推定人口で重みづけ)
男性はゴルフとつりが上位に入り、女性はヨガが3位。器具を使ったトレーニング(ジムなど)は、男女とも7〜8人に1人がしています。
何かを習ったり学んだりすることに関心があれば、50代から始める習い事|選び方・おすすめのジャンル・教室の探し方をまとめて解説もあわせてどうぞ。
自分に当てはめる3つの問い
ここまでの数字を、自分のことに置き換えてみます。
問い1:今の趣味は、画面の中だけで完結していないか
50代の上位3つは、どれもスマホやテレビの画面で楽しむものです。ゲームや音楽鑑賞は60代にかけて減っていく側の趣味ですが、今それを楽しめているなら、それで十分です。もし画面の外で気になっているものがあれば、それはこの先の楽しみの種になります。
問い2:思わず手が伸びるのはどれか
だれに言われたわけでもないのに、気づくとやっていること、つい時間を忘れてしまうことはどれでしょう。発見4で見たように、楽器や創作は、している人は少なくても、している人は週1回以上のペースで自然に続けています。思わず手が伸びるものが、あなたに合っている趣味の芽です。
問い3:「男性はこれ」「女性はこれ」で、選択肢を狭めていないか
料理をする50代男性は少数ですが、している人は女性より高い頻度で続けています。日曜大工をする女性も、5年前より増えました(5.4%→7.6%)。ランキングは「多い趣味」を教えてくれますが、「自分に合う趣味」までは教えてくれません。
きっかけのヒント
1. 今の「好き」の延長から
まったく新しいものを探さなくても、今好きなものを一歩だけ広げると、自然に趣味になっていくことがあります。
- 音楽を聴くのが好きなら:楽器にさわってみる(50代の約8%がしていて、続けている人は週1回以上)
- 映画やドラマが好きなら:気になる作品を、たまに映画館で見てみる
- スマホで写真を撮るなら:「近所の花」など1つのテーマで撮ってみる
- 料理の動画をよく見るなら:気になった1品を作ってみる
2. 季節や行事をきっかけにする
春に花を見てベランダに鉢をひとつ置く、秋に近くの山を歩く、年末の片づけで棚を直してみる。季節は、毎年かならずやってくるきっかけです。50代の10年で増えていく園芸や美術鑑賞は、季節を感じやすい趣味でもあります。
3. 体を動かすのは「ついで」から
50代の約半分がしているウォーキングは、買い物や通勤のついでに少し遠回りするだけでも始まっています。歩くうちに気になる場所や景色が見つかれば、写真や、男性に多いゴルフ・つり、女性に多いヨガなど、次の楽しみにつながることもあります。
調査について
- 社会生活基本調査は、総務省統計局が5年ごとに行う調査で、国民の生活時間の配分や、1年間の余暇の過ごし方を調べています
- この記事の数字は令和3年(2021年)調査のものです。次の令和8年(2026年)調査は2026年10月20日を調査日として行われ、結果は令和9年(2027年)9月から順に公表される予定です。公表されたら、この記事の数字も新しくします
- 「行動者率」は、過去1年間に1回以上その趣味をした人の割合です。「平均行動日数」は、その趣味をした人が過去1年間にした日数の平均です
- 5年前(平成28年)との比べでは、「趣味としての読書」は平成28年の調査でマンガを含んでいたため、比べていません
まとめ
- 50代の約9割(89.0%)が、何かしらの趣味を楽しんでいる
- 50代に多い趣味は、音楽鑑賞・映画鑑賞(家で)・ゲーム・読書・マンガ。ゲームは5年前より12.8ポイント増えた
- 男性はマンガ・日曜大工・スポーツ観戦、女性は園芸・料理・手芸が上位に入る
- 50代の10年で、ゲームやマンガは減り、園芸は増える。55〜59歳と60〜64歳の間で、園芸がゲームを抜く
- 楽器の演奏や創作は、している人は少なくても、している人は週1回以上のペースで続けている
- スポーツはウォーキングが約半分。男性はゴルフ・つり、女性はヨガが上位
ランキングの上位から選ぶのも、少数派の趣味に手を出してみるのも、どちらも一つの方法です。気になったものがあれば、気が向いたときにひとつ試してみてください。合わなければ、やめてかまいません。


