退職するにも正しい方法があります。辞め方によっては、現職に負担をかけることも、転職先に悪い印象を与えることもあります。この記事では、印象を悪くしない円満退職の方法とスケジュールを紹介します。
退職を伝えるまでの準備
「転職先が決まってから退職か?」「辞めてから転職するか?」を悩む人も多いでしょう。もし悩むのなら「転職先が決まってから退職」を選びましょう。
先に退職してしまうと収入がなくなるだけでなく、一般的に前職から半年以上の期間が空くと、書類が通りづらくなります。焦って転職してしまって、予定と違う企業に入社してしまった、というケースもあります。そのため「転職先が決まってから退職」がオススメです。
「現職が忙しすぎて、今のままだと転職活動が始められない」「とにかく東京に出て転職活動をしたい」など、退職することで環境が改善されるなど、明確な理由がある人は「退職してから転職活動」を検討しましょう。
退職してから転職する場合には、失業保険制度を活用し転職活動を進めることで金銭的負担を軽減することができます。自己都合退職の場合は退職から3か月で、会社都合退職の場合はすぐに発生するので、退職後すぐに申請しましょう。
失業保険は、退職の理由・年齢・被保険者だった期間によって決まります。自己都合退職の場合、受給期間は3~5か月です。会社都合退職かつ30歳未満の場合、受給期間は3~6か月です。失業保険は一時的にしかもらえないので気をつけましょう。
退職のタイミングはいつ?
退職はすぐにできるものではありません。民法上では、申し出から2週間で退職が認められますが、欠員補充や業務引き継ぎの関係で、多くの企業で退職の期日が別途設定されています。この退職の期日は就業規則にかかれているので、退職を考えたら確認しましょう。一般的に、退職希望日の1~2か月前の申し出を定めている企業が多いです。
就業規則で定められているよりも前に退職したい場合は、上司に相談して調整しましょう。また、業務の繁忙期の退職は、会社やチームに負担がかかります。この場合も、上司と話し合った上で決めることが大切です。
退職を進めるポイントは「意志を固める」
退職準備で重要なのは「意志を固める」ことです。勤め先や家族から強い引き止めや反対にあうと、気持ちが揺らいでしまうからです。
ただ、意志を固める前にやっておいた方が良いことがあります。例えば、現在の業務が合わない場合、異動すれば問題が解決することもあります。このように、すぐに退職を考えるのではなく、社内の動き方で問題が解消しないかを考えてみましょう。
現職の給与が低いからと転職を決めて、内定が出た後に退職の意志を伝えたところ「給与を上げるから」と引き止めにあうことがあります。もしこのタイミングで「現職で働き続けたい」と思った場合、内定承諾前ならば問題ありませんが、承諾後だと内定先に迷惑が掛かってしまいます。
もしも現職に不満があるのなら、まずは直属の上司に相談してみましょう。それでも改善しなかった場合に、退職を考えればいいのです。
退職はキャリアのターニングポイントです。何のために退職するのか?今の環境では本当に叶えられないのか?今後の自分のキャリアを、今一度考えた上で、意志を固めましょう。
退職するための方法とポイント
スムーズに退職できるスケジュール
退職するまでには、やらなくてはならないことがいくつもあります。退職までの流れを把握して、漏れがないように進めていきましょう。
退職の準備 |
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1.転職準備期間を計る 2.働きながら転職か、退職してから転職かを決める 3.転職の意志を固める 4.公的な手続き(税金・年金・健康保険・雇用保険など)を確認する 5.必要に応じて退職願を作成する |
退職の申告(目安:最終出社日の2~1か月前) |
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1.直属の上司に口頭で伝える(必要があれば退職願を添える) 2.退職日を上司と決める 3.退職日が決まってから、退職届を直属の上司に手渡しする |
引継ぎ(目安:最終出社日の1か月前) |
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1.引継ぎのスケジュールを立てる 2.業務のマニュアルを作成する 3.業務の引き継ぎを行う 4.取引先に後任者とあいさつに伺う |
最終出社日 |
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1.引継ぎの最終確認 2.荷物の返却、受け取りをする 3.身の回りを清掃する 4.お世話になった人に挨拶をする |
有休消化 |
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・次の生活に向けて準備をする |
退職後 |
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・すぐ転職しない場合は、公的な手続き(税金・年金・健康保険・雇用保険など)をする |
マナーに沿った退職意思の伝え方
退職の意思は、直属の上司に伝える
退職の意思は、最初に直属の上司に伝えます。前もって「お話したいことがあるので、」と時間を取ってもらいましょう。この段階で「退職」という言葉は出さなくても大丈夫です。その後、二人きりになれる場所で意思を伝えます。なお、この段階では「退職届」は不要です。
まずは同僚や先輩に相談したいという人もいるかもしれませんが、直接伝える前に上司の耳に届いてしまうとトラブルに繋がる可能性もあります。また、直属の上司との人間関係が退職の理由なので話しづらい、という人もいるかもしれません。しかし、いずれの場合もまずは直属の上司に伝えましょう。
角が立たない、退職理由の言い方
退職の意思を伝える時は、「お詫びの気持ち」と「これまでの感謝の気持ち」を添えて、「退職の意思をはっきりと」伝えます。あいまいに言ってしまうと、退職を悩んでいるという意味に取られ、引き止められてしまいます。そうなると退職交渉が長引き、相手にも余計な時間と手間をかけさせることになります。意思を決めたなら、はっきりと言いましょう。
ただし、不満や愚痴を言うのは失礼です。もし労働環境に不満があって退職を決意した場合は、どういう場所で働きたいのかを考えて、前向きな理由に言い換えるよう意識しましょう。例えば、「給与が少ない」は、「評価してくれるところで働きたい」と言い換えられます。
・キャリアアップのため
お世話になったのに申し訳ないのですが、退職したいと考えています。これまでの経験を活かして、自分の力を新しい環境で試したいからです。この5年間、さまざまなことを学ばせてもらい、感謝しています。今年中に退職させていただければと考えていますが、具体的な日程は相談させてください。
・理想的な環境に転職するため
突然で恐縮ですが、退職したいと考えています。自分のやりたいことと合致した環境でお世話になることを決意しました。この5年間、成長させてもらい感謝しています。〇月末までに会社を退職させていただけませんでしょうか。お願いします。
・労働条件に不満があるため
大変お世話になったのに申し訳ないのですが、退職させていただきたく、お時間をいただきました。自分を最大限評価してくれるところに出会えたので、お世話になる決意をいたしました。退職希望日は〇月末までを考えていますが、いかがでしょうか。
・やりたいことにチャレンジするため
突然のことで大変申し訳ありませんが、退職したいと考えています。かねてから宇宙産業に関心があり、今チャレンジしないと後悔すると思い、決意いたしました。長年お世話になったにもかかわらず、勝手を言って申し訳ありませんが、退職させていただけないでしょうか。具体的な日程はご相談させてください。
後任者が困らない引き継ぎの方法
引き継ぎにはスケジュールと資料を用意する
退職日までに業務を後任者へ引継ぎましょう。最初に引継ぎのスケジュールを立てて置けば、時間が足りないといった事態も避けられ、効率的に進められます。
後任者と実作業するだけでなく、業務の目的・内容などのマニュアル化も重要です。誰がどんな目的で何をやるのか、過去のトラブル対応はどうしたか、などが資料としてまとまっていると、後任者が一人で確認できるだけでなく、仕事の全体像も伝わりやすくなります。
引き継ぎが完了しても、退職日までは仕事を丸投げせずに、しっかりとフォローしましょう。引継ぎが間に合わないということがないように、スケジューリングをしっかりとして、細かく上司に報告することが大切です。
取引先に後任者を紹介する
取引先などへの後任者の紹介は、退職を伝えると同時に行いましょう。退職後も業務が滞りなく進むこと、心配はないことが伝わるようにするためのマナーです。
なお、退職の連絡は、会社の意向に沿って行います。自分のタイミングで退職することを伝えたり、退職理由をストレートに伝えたりせず、まずは上司に確認しましょう。
退職日の動き方で円満退社にする
退職時に会社へ返却するもの
会社から借りていたものを返却し、会社に預けていたものを受け取りましょう。
健康保険証(健康保険被保険者証) |
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健康保険には、会社を通じて加入しています。退職と同時に資格を喪失することになるので、無効となる保険証は返却します。 |
会社からの貸与品 |
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・会社から貸与されたもの(携帯電話、パソコン、制服、鍵など) ・社員だと示すもの(社員証、社章、名刺など) ・社費で購入したもの(本、ペン、ファイルなど) 以上のものは、会社の所有物になるので返却します。私物と混在しないように気を付けましょう。 |
自分や顧客などの名刺 |
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その企業の社員だと証明する自分の名刺はもちろんのこと、業務を通じて受け取った名刺も原則として返却します。 |
業務に関するデータ |
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業務に関わるものは全て返却します。たとえ自分が作成したものであっても、持ち帰るのはNGです。 |
定期券 |
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定期券の利用期間が退職日以降も残っている場合など、払い戻しが発生する時は、規則に従って精算しましょう。 |
退職時に会社から受け取るもの
年金手帳 |
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年金手帳原本を会社で預かっている場合は返してもらいましょう。 退職日翌日からすぐに次の会社で働かない場合は、自分で国民年金に切り替える必要があります。最寄りの自治体で手続きを済ませましょう。なお、年金手帳が見つからない場合は、社会保険事務所に連絡してみましょう。 |
源泉徴収票 |
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退職後1か月で送付されます。年末調整で必要な資料であり、新しい職場で提出するものです。 すぐに転職先で働かなかったとしても、確定申告で必要になるので、紛失しないように気を付けましょう。 |
雇用保険被保険証 |
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原本を会社で預かってもらっている場合には返却してもらいましょう。 新しい職場に提出するものです。転職しない人は、失業保険給付時に必要になります。 |
離職票(雇用保険被保険者離職票) |
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退職日以降10日以内に自宅郵送されます。 退職後すぐに働かない場合、失業手当を受け取るときに必要な書類です。 すぐに転職先で働くことが決まっている場合は不要です。 |
身の回りの清掃
退社日には、身の回りを清掃しましょう。ゴミ取りや卓上を拭くのはもちろんのこと、忘れ物がないかもよく確認しましょう。私物は退職が決まった時から少しずつ持って帰るのがベターです。ただ、それでも量が多い場合は、会社から家へ発送するなどして、決して私物を残さないようにします。
なお、備品は全て会社に返却します。誤って持ち帰ってしまわないように、しっかり私物と分けましょう。また、情報の持ち出しもNGです。業務データや名刺などはコピーしてはいけません。
退職のあいさつは丁重に
社内外のあいさつは忘れずに行いましょう。退職後も、仕事上で関わる可能性があります。会社の不満や愚痴などを言わず、丁重に行いましょう。
あいさつのタイミングは、一般的に最終出社日です。過去に退職した人たちはどうしていたかを思い出し、そのタイミングに合わせると良いでしょう。もし迷うなら、上司に確認すると確実です。
基本的には一斉メールで構いませんが、お世話になった人にはできるだけ口頭で伝えるようにしましょう。必ずしも手土産にお菓子が必要というわけではありませんが、お菓子を用意しておけば挨拶周りのきっかけになりますし、いい印象で退職することができます。渡す気が起きないときや予算が厳しいといった事情がなければ、用意するといいでしょう。
もしお菓子を渡す場合は、次のことに注意しましょう。
・個包装しているものを選ぶ
・常温で保存できるものを選ぶ
・賞味期限が長めのものを選ぶ
・切り分ける必要のないものを選ぶ
・渡す相手の人数分用意する
- 一斉メールの文例
件名:退職のご挨拶(営業部 出路樽 桜子)
お疲れ様です。
営業部営業一課の出路樽 桜子です。
このたび、一身上の都合により10月31日で退職することとなり、本日が最終出社日となりました。
本来であれば皆さまに直接ご挨拶に伺うべきところ、メールでのご挨拶にて失礼いたします。
これまで皆さまには大変お世話になりました。心よりお礼申し上げます。
入社して5年間、至らぬ点もあったかと思いますが、温かく見守って下さった皆様には本当に感謝しております。
今後もこの会社で学んだことや培った経験を活かしていきたいと思っております。
私が行っていた業務の引継ぎは、後任の棒玖珠へ行っております。
業務等のご連絡は、棒玖珠までお願いいたします。
なお、今後の連絡先は下記になります。
何かございましたらこちらへご連絡いただけると幸いです。
・Mail:(メールアドレス)
・Tel :(電話番号)
最後になりましたが、皆様のさらなるご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
今まで、本当にありがとうございました。
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営業部営業一課
出路樽 桜子
〇〇〇@digibo.com
080-〇〇〇〇-〇〇〇〇
- 口頭でのあいさつの文例
お忙しいところ申し訳ありませんが、少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか。
実は10月31日をもって退職することになり、本日が最終出社日となりました。
手次多留さんには、一緒に進めたプロジェクトでは多くのことを学ばせていただきました。共に仕事ができたことを嬉しく思います。落ち着いたことにまた連絡しますので、よろしければお食事でもご一緒させてください。
- 個別メールの文例
口頭で伝えたかったけど会えなかったという場合は、個別にメールを送るのがベストです。
件名:退職のご挨拶(営業部 出路樽 桜子)
CX推進部 出時部長
お疲れ様です。営業部営業一課の出路樽桜子です。
私事で恐縮ですが、このたび、一身上の都合により10月31日をもって退職することとなり、本日が最終出社日となります。
本来であれば直接にご挨拶に伺うべきところ、メールでのご挨拶となりましたことをお詫び申し上げます。
入社してからのこの5年間、出時部長から多くのことを学ばせて頂きました。
営業成績が振るわず悩んでいた時期、出時部長からの励ましとご指導を頂いたこと、本当に感謝しております。
至らぬ点もあったかと思いますが、温かく見守って下さりありがとうございました。
今後も出時部長から教えて頂いたことを糧に、努力し続けたいと思います。
また、退職後の連絡先は下記になります。
今後はこちらへご連絡いただけると幸いです。
・Mail:(メールアドレス)
・Tel :(電話番号)
最後になりましたが、出時部長のさらなるご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。
今まで、本当にありがとうございました。
ーーーーーーーーーーーー
営業部営業一課
出路樽 桜子
〇〇〇@digibo.com
080-〇〇〇〇-〇〇〇〇
転職時の退職手続きの注意点
有給休暇の利用を考えてスケジューリングする
有給休暇は退職日まで利用できます。有給休暇を消化するには、事前にしっかりとスケジューリングをすることが大切です。また、企業によっては、退職時までに使いきれなかった有給休暇を買い取る制度を持つ所もあります。就業規則を読んで確認してみましょう。
SNSなどに会社の不満を上げない
退職理由が会社の不満だったとしても、不満や愚痴を言うのは避けましょう。とくにSNSは、多くの人の目に触れることを忘れて、書き込んでしまいがちです。印象が悪くなるだけでなく、場合によっては大きなトラブルの原因になるかもしれません。退職するからといって、会社の不満や愚痴を人目に晒すのは止めましょう。
転職先の入社日は変更しない
上司から、退職日を延ばしてほしいと打診された場合は注意しましょう。もし転職先の入社日が決まっている場合は、入社日との兼ね合いを考えて検討しましょう。転職先は、受け入れに向けて準備を進めています。業務の引き継ぎのために、前任者が最終出社日を調整している場合もあります。
入社日の変更は、転職先に迷惑をかけ、あなたの印象を悪くします。「お世話になったから……」と、退職日の延長を了承したい気持ちはわかりますが、入社日を変更しないように対応しましょう。
なお、退職日を考えずに入社日を決めてしまっていたという事態はあってはなりません。そうならないためにも、しっかりとスケジューリングをしていきましょう。
転職先を聞かれても答えなくていい
転職先は基本的には言わなくて構いません。引き止めたいあまりに、転職先について批判されたり、転職先企業に自分の話をされてトラブルになる場合もあります。基本的には、次のように返して構いません。
転職先を尋ねられた時の回答例
・「研究開発に携われるところです」(現職だとできないことを言う)
・「アパレル業界でチャレンジしていきます」(転職先の情報をおおまかに言う)
・「異業界でキャリアを構築していくつもりです」(キャリアの方向性を言う)
ただし、信頼関係が構築できている相手、なおかつ社名を伝えた方がいいと判断した場合は言っても問題ありません。
退職から次の入社まで日にちが空く時の手続き
もし退職日と転職先の入社日の間に日にちが空く場合は、公的な手続きが発生します。退職してから転職活動をする人は、忘れずに対応しましょう。
国民年金の申請手続き |
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20歳以上~60歳未満の人は、国民年金への加入が義務付けられています。従業員として働いている間は、給与から厚生年金として天引きされていました。退職で厚生年金を抜けたら、居住地の市区町村役所または各事業所の保険年金課担当窓口で手続きを行いましょう。 |
健康保険の申請手続き |
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退職すると健康保険の被保険者資格を喪失するので、新たに申請・加入が必要です。退職後すみやかに、次のいずれかに申請・加入しましょう。 ・任意継続健康保険 加入していた健康保険を継続して加入する場合は、居住地を管轄する協会けんぽ支部に、必要資料を提出します。 ・国民健康保険 国民健康保険に切り替える場合は、居住地の市区町村の役所(国民健康保険担当窓口)にて手続きをします。 ・家族の健康保険 家族の不要に入る場合は、家族の勤務先を通して、家族の加入する健康保険組合で手続きします。 |
失業保険の申請手続き |
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失業手当を受け取る際に必要です。離職票が発行され次第、居住地を管轄するハローワークで手続きします。 |
なお、退職した年に新しい勤務先に転職しない場合は、自分で確定申告が必要です。退職時期によっては確定申告まで期間が空くため、忘れないようにしましょう。
退職の話し合いがうまく進まないときは?
「退職を申し出ているけど、一方的に先延ばしにされる」「退職すると言ったら、給与は出ないと言われた」など、会社に取り合ってもらえない場合は、早めに別の手段を考えましょう。そのまま交渉していても、退職できずに長々と働くことになってしまい、精神的に追い詰められてしまう可能性もあります。
退職したくてもできない時には、退職代行サービスに頼むのも1つの方法です。退職の話し合いを熟知した専門家が間に入って、問題を解決してくれます。
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退職願・退職届の書き方
退職を進める上で、退職願・退職届を提出します。なお、退職願・退職届には、次のような違いがあります。
退職願 |
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会社に退職したいを願い出る書類。会社都合退職の場合は不要。 自己都合退職の場合でも、不要とする企業もある。 |
退職届 |
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退職が認められた後に、会社に退職を届け出る書類。 会社都合退職の場合は、基本的に不要。もし提出を求められた場合は、自己都合退職と見なされないような書き方が必須です。 |
会社指定の退職願・退職届フォーマットがある場合
企業によっては、退職願・退職届のフォーマットが決まっています。いきなり書くのではなく、まずは就業規則や人事総務に確認してみましょう。フォーマットがある場合は、それに従って書いていきましょう。
会社指定の退職願・退職届フォーマットがない場合
もし退職願・退職届のフォーマットが決まっていない場合は、自分で書いていきます。ただし、自由に書いていいというわけではありません。退職願・退職届もビジネス文書なので、マナーに従って作ります。
書きあげたらA4サイズで出力しましょう。白い封筒に三つ折りで入れましょう。封筒には、表面の中心に「退職願」もしくは「退職届」と、裏面には「所属」と「名前」を書いて、提出します。
1.題字 |
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「退職願」もしくは「退職届」と書きます。 |
2.書き出し |
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「私儀」(読み方:わたくしぎ)と書きます。 私儀とは「私個人のこと」という意味で、届け出に使われる表現です。 |
3.退職理由 |
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自己都合退職の場合は、「一身上の都合」と書きます。 会社都合退職の場合は、「部門縮小のため」「事業所閉鎖のため」など、具体的な会社都合による退職理由を書きます。 |
4.退職日 |
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退職願の場合は、退職希望日を書きます。 退職届の場合は、上司と話し合って決定した日付を書きます。年の表記(西暦・和暦)は、会社の公式書類で使っているものに合わせます。 いずれも、縦書きの場合は、漢数字で書くのが一般的です。 |
5.文末 |
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退職願は、願い出る書類なので「お願い申し上げます」と書きます。退職届は、退職が確定しているため「退職いたします」と書きます。 |
6.届出年月日 |
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書類を提出する年月日を書きます。縦書きの場合は、漢数字で書くのが一般的です。年の表記(西暦・和暦)は、「退職日」の表記に合わせましょう。 |
7.所属部署名・氏名 |
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宛名より下の位置に書きます。名前の下には、捺印をします。 |
8.宛名 |
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「所属部署名・氏名」よりも高い位置に、社名と最高執行責任者の役職と名前を書きます。敬称は「殿」もしくは「様」とします。 |