紙・データでの【履歴書の書き方】面接したいと思わせるポイントと具体例

履歴書の書き方アイキャッチ

 転職活動をする上で避けては通れない履歴書。最近ではパソコンを使って作成する場面も増えてきました。この記事では、採用担当者に「会ってみたい」と思わせる履歴書の作り方と書き方を、志望動機などの具体例を挙げながら紹介します。

【ポイントを押さえて履歴書を書くメリット】
 〇 多くの履歴書に目を通さないといけない採用担当者に、きちんと読んでもらえる履歴書にできる
 〇 履歴書を読んで、どういった人となりなのかを理解してもらえる
 〇 面接を行う前から「うちにピッタリかもしれない」「会ってみたい」と思ってもらえる可能性が高まる

目次

採用担当者に熱意が伝わる「履歴書」とは

熱意を込めて履歴書を書く様子

 そもそも転職活動においてどのような履歴書が求められているのでしょうか。まずは、目指すべき履歴書がどういったものかを確認しましょう。

「履歴書」は形式の決まった自己紹介資料

 履歴書は、応募企業の採用担当者が、応募したあなたのプロフィールを確認する目的で使う書類です。そのため、決して間違いがあってはなりません。正しい情報を書くことが必須です。

 履歴書からはプロフィール以外にも常識の有無を読み取ることができます。常識を欠いた書き方をしていれば「この人は常識がないのだな」「常識を調べることもしない人なのだな」と思われてしまうでしょう。採用担当者が確認する項目は、経歴だけでは決してありません。定まった形式に沿って正しく書くことが重要なのです。

求められるのは「読みやすさ」と「丁寧さ」

 採用担当者は多くの履歴書を読んでいくため、1枚の履歴書が読まれる時間は非常に短いものです。少し伝わりにくいが読み込めばわかる、といったものでは「分かりにくい」と判断されて却下されてしまうでしょう。採用担当者に「読んでみよう」と思わせるように、「読みやすいもの」かつ「丁寧に書かれたもの」にしたいところです。履歴書も第一印象が大切なのです。

「履歴書」の書き方と具体例

履歴書を書く準備

 それでは、履歴書はどのように書けばいいのでしょうか。ここでは具体例に沿って確認をしていきましょう。

書く前の確認事項

 履歴書を書き始める前に、求人情報に次の指定があるかどうかを確認します。

・フォーマットの指定
・作成方法の指定

・黒のボールペンで書き込んで使用する
データ(Excel、PDFなど)
・パソコン上で入力して使用する。郵送する場合は印刷して送付する。メールで送付する場合は、PDFデータに変換するなど編集できない状態にする。
・紙に印刷して、黒のボールペンで書き込んで使用する

 フォーマットや作成方法に指定があればそれに従います。特に指定がなければ、手書きでもパソコンでもどちらで作成しても構いません。ただし、就活生向けのものは学生時代の活動の項目があり、アルバイト向けも希望シフト欄などがあるため、転職活動時には使用しない方が無難です。

 また、履歴書を自作する人もいますが「書きたくない項目を削ったのではないか?」と思われる場合もあります。既に確認したように、履歴書は応募者のプロフィールを確認する資料であると同時に、一般常識がどれほどあるかを確認するものでもあります。目立たせようと自作するよりも、厚生労働省が示す様式やJIS規格といった一般流通しているものを使用しましょう。

「履歴書」の構成と作成例

 履歴書の基本的な構成は、次のとおりです。履歴書によって項目の増減や記入欄の大小はありますが、基本的には変わりません。なお、この例は厚生労働省が2021年に提示した履歴書の規格に記入したものです。

厚生労働省「新たな履歴書の様式例の作成について」

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_kouseisaiyou030416.html
履歴書の例

1. 基本情報欄

基本情報欄 記入例 最新の日付、フルネーム、清潔感のある写真、正しい生年月日

・日付
 企業へ提出する日付を記載します。古い日付になっていると、使いまわししていると思われ、印象は良くありません。必ず最新の日付を記入します。

 ・郵送する場合:ポストへ投函する日
 ・持参する場合:企業へ訪問する日
 ・メールで送付する場合:メールで送信する日

・写真

 紙の履歴書の場合、貼り付ける写真サイズは横3cm×縦4cmのものが一般的です。なお、紙の履歴書は書き損じることもあります。写真は一番最後に貼るといいでしょう。

 データの履歴書の場合、560×420pxや600×450pxの画像サイズが3:4の大きさとなります。写真データを履歴書に取り込み、大きさを調整して貼り付けます。

 例えば、Excelの場合であれば、【挿入】→【画像】から、写真データを選択して取り込みます。画像の四隅に付いた〇を移動させることで、画像の大きさが調整できます。もし縦横の比率が合わない場合は、【図ツール】→【書式】→【トリミング】から編集します。ただし、560×420pxよりも数値が低いと画像が荒くなる可能性があるため注意が必要です。

 ・3か月以内に撮ったカラー写真
 ・背景は無地(白・グレー・青が一般的)
 ・スーツ着用
 ・清潔感のある髪型・化粧で華美になりすぎないように
 ・はがれてしまった時のために、裏面に名前を記入する(紙の履歴書の場合)
 ・写真編集はゴミ取り程度に留める(データの履歴書の場合)

・氏名
 姓と名の間を開け、読みやすいように書きます。ふりがなは、ひらがなで書く場合とカタカナで書く場合がある。履歴書のふりがな欄に書いてある文字の種類に合わせて、ひらがな又はカタカナで書きましょう。

 ・「ふりがな」と書いてある場合:ひらがなで書く
 ・「フリガナ」と書いてある場合:カタカナで書く


・生年月日
 履歴書全体で、西暦もしくは和暦を統一しなくてはなりません。「日付」「学歴・職歴」などの部分と統一して、西暦もしくは和暦で記入します。年齢は、提出日の年齢を書きます。

2. 連絡先

応募者情報欄 記入例「現住所、現住所のふりがな、電話番号」現住所以外に連絡を希望する場合のみ記入と書かれた連絡先には「同上」と書いてある

 紙の履歴書の場合、書き慣れているために文字が崩れやすい部分でもあります。特に、数字やアルファベットは、しっかり書いたつもりでも他人から見ると読めないこともあります。電話番号やメールアドレスは誰が読んでも判別できるようキレイな字で書くことが大切です。

・現住所
 都道府県から記入します。郵便番号、ふりがな、マンション名など、省略せずに書きます。

・連絡先

 現住所と異なる場合にのみ記入します。同じ場合は「同上」とだけ書きます。

・電話番号
 日中連絡がつきやすい番号を記入します。携帯電話の番号でも構いません。

・メールアドレス
 連絡の取りやすいメールアドレスを記入します。

3. 学歴・職歴

学歴と職歴の記入例「学歴 2014 4 東京都立出路樽高等学校 入学 2017 3 東京都立出路樽高等学校 卒業 2017 4 東京出路樽短期大学 経営学部経営学科 入学 2019 3 東京出路樽短期大学 経営学部経営学科 卒業  職歴 2019 4 株式会社〇〇 入社 2020 3 一身上の都合により退職 2020 4 株式会社〇△〇 入社 現在に至る 以上」

・学歴
 履歴書の学歴欄には、義務教育以降(高校以降)の学歴を書きます。最終学歴が中学校の人は、中学校の卒業年月を記載します。

【高校・大学・短大・専門学校卒業】
 〇年〇月 〇立〇〇高等学校 〇〇科 入学
 〇年〇月 〇立〇〇高等学校 〇〇科 卒業
 〇年〇月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学
 〇年〇月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業
「入学」「卒業」を行を分けて書きます。
高校は略称です。必ず「高等学校」と書くようにしましょう。
また、高校は、私立・県立・市立の記入を忘れないように注意しましょう。
大学・専門学校は、学部、学科、コース、専攻は、省略せずにしっかりと書きましょう。

【大学院修了】
 〇年〇月 〇〇大学大学院 〇〇研究科 〇〇専攻 〇〇課程 入学
 〇年〇月 〇〇大学大学院 〇〇研究科 〇〇専攻 〇〇課程 修了
大学院を卒業した場合は、卒業ではなく「修了」と書きます。

【転校】
 〇年〇月 〇立〇〇高等学校 〇〇科 入学
 〇年〇月 〇立◆◆高等学校 〇〇科 転入学
 〇年〇月 〇立◆◆高等学校 〇〇科 卒業
転校した場合は、「転入学」と書きます。
一旦学校を退学している場合は、【編入】欄のとおりに書きます。

【編入】
・学校を退学して、入り直した場合
 〇年〇月 〇立〇〇高等学校 〇〇科 入学
 〇年〇月 〇立〇〇高等学校 〇〇科 中途退学
 〇年〇月 〇立◆◆高等学校 〇〇科 編入学
 〇年〇月 〇立◆◆高等学校 〇〇科 卒業
一旦学校を退学して、別の学校に入り直した場合は「編入学」と書きます。

・学校を卒業したあと、大学の編入試験を受けて入学した場合
 〇年〇月 〇〇短期大学 〇〇学部 〇〇学科 入学
 〇年〇月 〇〇短期大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業
 〇年〇月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 編入学
 〇年〇月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業
編入試験を受けて入学した場合は、「編入学」と書きます。
編入ではなく、一般的な入試を受けて入学した場合は、「入学」と書きます。

【転籍】
 〇年〇月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学
 〇年〇月 〇〇大学 ◆◆学部 ◆◆学科 転部
 〇年〇月 〇〇大学 ◆◆学部 ◆◆学科 卒業
同じ学校内で所属が変わる場合は「転籍」にあたります。
学部が変わった場合は「転部」、学部が同じで学科だけ変わった場合は「転学科」と書きます。

【中退】
 〇年〇月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学
 〇年〇月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 中途退学
「中退」と略語で書かずに、「中途退学」と正式名称で書きます。
なお、面接で中退理由を聞かれる可能性もあるので、回答を用意しておきましょう。

【休学】
 〇年〇月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学
      〇年〇月~〇年〇月 経済的事情のため休学 
 〇年〇月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業
休学した場合は、休学期間と理由を書きます。
留学のための休学ならば、理由に「〇〇国〇〇大学 留学のため休学」
療養のための休学ならば、理由に「病気療養のため休学(現在は完治)」と書きます。

【留年】
 〇年〇月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学
 〇年〇月 〇年次 留年 
 〇年〇月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業
留年は履歴書に書かなくてもかまいませんが、
書く場合には、留年したタイミングが分かるように、年月と年次を書きます。

【浪人中の予備校】
浪人は履歴書に書かなくてかまいません。
浪人した時に予備校に通っていた人もいるかと思いますが、予備校も学歴に書かなくてかまいません。

【職業訓練校】
 〇年〇月 職業訓練校 〇〇コース 入校
 〇年〇月 職業訓練校 〇〇コース 修了
職業訓練校を履歴書に書く場合は、学歴欄に書きましょう。
卒業ではなく「修了」と書きます。

【学校名変更】
・在学中に学校名が変更になった場合
 〇年〇月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学(現◆◆大学)
 〇年〇月 ◆◆大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業
在学中に所属学校名が変わった場合は、入学時に旧名と現在名がわかるように書きます。

・卒業後に学校名が変更になった場合
卒業後に学校名が変わっている場合は、現在名を書いてもいいですが、必須ではありません。

・職歴
 時系列順に、入社・退社年月と、企業の正式名称を記入します。年月は「日付」「生年月日」などの部分と統一して、西暦もしくは和暦で記入します。職歴の最後の行に「現在に至る」と書き、その下に「以上」と右寄せで書きます。

 社名は正式名称で書きます。(株)は略称です。省略せず「株式会社」と書きましょう。

<正社員>
・自己都合での退職
 〇年〇月 〇〇〇株式会社 入社
 〇年〇月 一身上の都合により退職
転職など、自分の個人的な都合で転職した場合は「一身上の都合により退職」と書きます。

・会社都合での退職
 〇年〇月 〇〇〇株式会社 入社
 〇年〇月 会社都合により退職
リストラや倒産など、会社の都合に基づく退職は「会社都合により退職」と書きます。

【入社】
・社名が変わっている場合
 〇年〇月 〇〇〇株式会社 入社(現:◆◆株式会社)
入社してから社名が変わった場合は、入社時の名前と現在の名前を書きます。

【退職】
・退職予定日がこれからの場合
 〇年〇月 株式会社〇〇〇 退職予定
これから退職予定の場合は、退職予定時期が分かるように書きます。

【転籍】
 〇年〇月 〇〇〇株式会社 入社
 〇年〇月 ◆◆◆株式会社 転籍
入社した企業と異なる会社で新たに雇用される「転籍」になった場合、
年月と新たに雇用される会社名がわかるように書きます。

【出向】
 〇年〇月 〇〇〇株式会社 入社
 〇年〇月 ◆◆◆株式会社に出向
入社した会社に籍を残したまま、別会社に配属される「出向」になった場合、
年月と、新たに配属される別会社の名前がわかるように書きます。

・出向後、元の会社に戻った場合
 〇年〇月 ◆◆◆株式会社に出向
 〇年〇月 〇〇〇株式会社 帰任
元の会社に戻った場合は、「帰任」と書きます。

・出向後、そのまま転籍になった場合
 〇年〇月 ◆◆◆株式会社に出向
 〇年〇月 ◆◆◆株式会社 転籍
そのまま転籍となった場合は、「転籍」と書きます。

【所属変更】
異動や転勤は、職歴欄に書かなくてかまいません。職務経歴書に書きましょう。

【ワーキングホリデー】
ワーキングホリデーは職歴欄には書きません。
履歴書の自己PR欄に書いたり、職務経歴書に留学欄を作って書いたりすると、アピールになります。

 職務経歴書を提出しない場合、どのような経験を積んできたのかをアピールしたい場合は、職歴に書くことになります。その場合は、会社名の次の行もしくは会社名の横に、「業種」「従業員数」を、さらにその次の行に「職務内容」を書きます。

職歴欄 記入例「職歴 2019 4 株式会社〇〇 入社 小売業 従業員50名 販売員として、食品の接客・販売を行う 2020 3 一身上の都合により退職 2020 4 株式会社〇△〇 入社 小売業 従業員220名 販売員として、衣料品の接客・販売を行う 現在に至る 以上」
「職歴」で経験をアピールする場合の書き方例
作成 株式会社デジタルボックス

4. 免許・資格

免許・資格欄 記入例「2019 2 普通自動車第一種運転免許 取得 2022 1 TOEIC公開テスト750点 取得」

・免許・資格

 業務に関連する免許・資格の正式名称を、取得年月日が早いものから順に書きます。年月は「生年月日」「職歴」などの部分と統一して、西暦もしくは和暦で記入します。もし取得に向けて勉強中のものがあれば、その旨記載しても構いません。免許・資格がない場合は「特になし」と記入します。

5. 志望動機・特技・好きな学科・アピールポイントなど

志望動機 記入例「志望動機 現職では個人のお客様に向けて衣料品の販売を行っています。お客様に喜んでいただけることにやりがいを感じていますが、法人のお客草間に対して提案を行うことで、営業としてさらにスキルアップしたいと考えました。貴社の顧客に寄り添ったサポートを行うという社風に魅力を感じ、貴社に志望します。これまで培ってきたヒアリング力とコミュニケーション能力で、貴社に貢献したいと考えます。」

 図のように、1つの枠に「志望動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど」と書かれていても、全ての項目を書く必要はありません。主に「志望動機」に絞って、自分がどのような人物であるか知ってもらえるように書いていきます。

・志望動機
 志望動機は履歴書で必ず読まれる項目です。空欄にせず、記入欄の7割以上を埋めるようにしっかりと書くことが大切です。

 応募する企業によって志望動機は違うはずです。汎用性の高いものを用意したい気持ちは分かりますが、どの企業にも当てはまる内容を書いてしまっては、採用担当者に「他の企業でも良いのでは?」と思われかねません。

 「だから、うちに応募したのか」「うちに転職したいと思うのか」と納得させられるように、企業情報を調べ、分かりやすく伝えようとすることが大切です。その他の記入のポイントは、この後にある「履歴書記入のポイント」で紹介します。

・特技

 採用担当者は、履歴書から応募者の人となりを知ろうとしています。「転職後の業務で活かせるもの」や「面接で話が膨らみそうなもの」があれば記入しましょう。

6. 本人希望記入欄

本人希望記入欄 記入例「給与・待遇などは、貴社の規定に準じます。」

 原則「貴社の規定に準じます」と記入します。ただし、求人票に書かれている勤務地や職種が複数ある場合には、「営業職を希望します」というように、自分の希望を記入します。

他の履歴書にある記入項目

 履歴書によっては、次のような記入項目が用意されている場合があります。もし応募企業が指定する履歴書の規格に、該当の記入欄があれば、省略せずに記入します。応募企業が特に規格を指定しておらず、該当の項目を書きたくない場合は、該当の記入欄がない履歴書を選んで使用しましょう。

・通勤時間

 自宅を出て会社に到着するまでにかかる片道の時間を記入します。

  ・5分単位で書く
  ・通勤経路が複数ある場合は、その中で最も短い時間を記入する
  ・1時間未満の場合は「0時間15分」と記入する

・扶養家族数(配偶者を除く)
 扶養家族とは、養っている家族(両親、子ども、祖父母、兄弟姉妹など)のことです。同居をしているかどうかは関係ありません。

  ・配偶者を除く扶養家族がいる場合:人数を記入する
  ・独身の場合:「0」と記入する

・配偶者

  ・配偶者がいる場合:有と記入する
  ・配偶者がいない場合:無と記入する

・配偶者の扶養義務

  ・配偶者が扶養家族の場合:有と記入する
  ・そうでない場合:無と記入する

・賞罰
 賞は受賞・表彰歴、罰は刑法犯罪の犯罪歴のことを指します。記入することがない場合は「賞罰なし」と記入します。
 ここに書く受賞歴とは「全国・国際大会レベルの賞」「誰もが知る有名な賞」の受賞です。社内での実績なら職務経歴書に書き、それ以外の受賞をアピールしたい場合は、趣味欄に記入しましょう。

・押印
 履歴書への押印には「認め印」を使用します。「認め印」とは、役所などへ届けていない朱肉を使用する印鑑のことです。インク内蔵式のものは原則使用しません。用意がない場合は文具店などで購入しましょう。

「履歴書」記入のポイント

履歴書を書く人

 履歴書の中で一番つまづきやすいのが、「5. 志望動機・特技・好きな学科・アピールポイントなど」ではないでしょうか。特に「志望動機」は、採用担当者が必ず目を通し、応募者に会うかどうかを判断する大きな材料の1つでもあります。

 ここでは、いかに「貴社に転職したいと思っているか」その熱意を伝えることが重要です。そのためには、どこにでも当てはまる誰かの言葉ではなく、自分自身の言葉や体験が必須です。

  ・どこに魅力を感じたのかを自分の言葉で書く
  ・具体的なエピソードなどを入れ込む
  ・発揮できるスキルや経験を業務内容と結び付ける
  ・相手の気持ちになって読み返す


 もし浮かばない場合は、転職の理由から考えてみましょう。転職で叶えたいことが叶えられるから、その企業を志望しているはずだからです。

PREP型で要点を伝える

 文章を書くときは「起承転結」と考えるのが一般的です。しかし「起承転結」では結論が最後になってしまうため、冗長な印象を与えることもあります。履歴書のように短い時間で読まれるような資料には「PREP型」を使うのがおすすめです。

PREP型を使った志望動機の例 Point要点「お客様ひとりひとりに向き合って、喜びの瞬間を作り出していきたいと思い、貴社の営業職に志望しました。」Reason理由「貴社の「お客様ひとりひとりに寄り添う」という社風は、住まい探しをされるお客様にしっかりと向き合うことができ、より人の役にたてられるのではないかと考えました」 例Example「現職はアパレル販売員として接客業に携わっています。接客を通じて、お客様の希望にあった商品を紹介し、役に立てることにやりがいを感じています。」要点Point「現職で身につけた、お客様の希望を聞き出すヒアリング力とコミュニケーションスキルで、ニーズに沿った接客を心がけ、サービス拡充に貢献します」

 「PREP型」は、要点から書きはじめるスタイルです。伝えたいことが最初と最後にあるため、採用担当者にしっかりと伝わる文章となります

文章を読みやすくするためのライティングテクニック

 文章を読みやすいものにするコツはいろいろあります。ここでは、履歴書を書く上で使えるテクニックを紹介します。

1文を60字以内に

× 現職ではコールセンターでのクレーム対応業務に携わっておりますが、働くうちに問題が起きる前にお客様の要望を伺って解決したいという思いが強くなったため、お客様をサポートするという社風の貴社の営業職を志望しました。(104文字)

〇 現職ではコールセンターでのクレーム対応業務に携わっております。働くうちに問題が起きる前にお客様の要望を伺って解決したいという思いが強くなりました。そのため、お客様をサポートするという社風の貴社の営業職を志望しました。(31+42+35文字)

むやみに「~ので」「~から」「~ば」で繋がない

× 販売員として接客を行ってきたからこそ、ヒアリングとコミュニケーションには自信がありますので、貴社に入社した際には、この能力を活かしてサービス拡充に貢献したいと思います。

〇 販売員として接客を行ってきたからこそ、ヒアリングとコミュニケーションには自信があります。貴社に入社した際には、この能力を活かしてサービス拡充に貢献したいと思います。

一文一義(1文には1つの意味)で書く

× 営業のスペシャリストになりたいと考え、商品数の多い貴社であれば実力が身につくと思い志望しました。

〇 営業のスペシャリストになりたいと考えます。商品数の多い貴社であれば実力が身につくと思い志望しました。

言葉や数値を省略しない

× R4年10月(株)〇△〇 退職予定

 令和4年10月 株式会社〇△〇 退職予定

句読点の位置は「主題を示す言葉の後ろ」

× 貴社では課題発見力・分析力を習得して、営業スキルを磨けると感じました。

〇 貴社では、課題発見力・分析力を習得して営業スキルを磨けると感じました。

和暦と西暦の計算方法

 履歴書を書く上で意外と悩むのは和暦と西暦の計算です。「免許取得年を調べようと免許を見たら和暦で書かれていた」「退職年が西暦でしか分からない」といったことは、履歴書を書いているとよくあります。和暦から西暦に、西暦から和暦に変換する場合は、次の表を基づいて計算してみましょう。

西暦和暦変換表「和暦→西暦」・令和:和暦+18+2000=西暦 ・平成12年~:和暦-12+2000=西暦 ・~平成11年:和暦+88+1900=西暦 ・昭和:和暦+25+1900=西暦 「西暦→和暦」・2019年5月1日~:西暦の下2桁-18=令和 ・2000年1月1日~2019年4月30日:西暦の下2桁+12=平成 ・1989年1月8日~1999年12月31日:西暦の下2桁-88=平成 ・~1989年1月7日:西暦の下2桁-25=昭和

例:「昭和63年」を西暦に変換する場合
  昭和は「【和暦】+【25】+【1900】=西暦」なので、
  【63】+【25】+【1900】=西暦1988年

例:「2001年」を和暦に変換する場合
  2001年は「【西暦の下2桁】+【12】=平成」なので、
  【01】+【12】=平成13年

 志望動機などの文章欄を除いた項目は、基本的に同じものを何枚も書きます。文章欄以外を埋めた履歴書を、自分専用のフォーマットとして用意しておけば、履歴書作成も楽になるのでおすすめです。

見直しチェックリスト

・黒のボールペンで書いているか
・日付は古くないか
・空欄はないか
・誤字脱字はないか
・間違いは修正液や二重線で訂正していないか
・全ての欄が埋まっているか
・漢数字とアラビア数字のどちらかに統一されているか
・楷書で丁寧に書かれているか
・「です、ます」「だ」「である」どれかに統一されているか
・文字の大きさは適切か
・学校名や資格名などが、略称でなく正式名称で書かれているか
・年度に誤りはないか
・和暦と西暦のどちらかに統一されているか
・「平成」を「H」、「昭和」を「S」などと省略していないか
・写真の添付は忘れていないか
・Excelファイルの履歴書に入力したら、PDFで保存しているか

【会ってみたいと採用担当者に思わせる履歴書にするポイント】
  採用担当者が読みやすいものになるように、丁寧に作る
  フォーマットや一般常識から外れないように意識する
  提出先の企業や自分自身にしか当てはまらないような志望動機を書く
  書いた後に、間違いや漏れが無いように見直しをする

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